第13話

文字数 443文字

「よくぞ、来て頂きました!本当本当、有り難いです!」

 ヤリジュアの司令官エスナルドルは、さすがに軍人らしい逞しさも有ったが、細身の人間だった。背は、高かった。

「旅、如何でした?使いの者は、失礼が無かったですか?」

 本題に入りたい所だったが、話は長かった。

「司令官」

 ガイアンは、遮る様に手を上げた。

「事件について、話しましょう」

「そうでした…重要なる、本題なる話は、そこですな!」

 ピリピリした様な感じはバルキエールとも似ていたが、物言いが大袈裟であり、その分、引っ掛かって来る感じが有った。

「とにかく、何がどの様に起きたかを」

 大筋、バルキエールから聞いていたのと同じだった。何となく一人、先に行ったり遅れたりしていた巡回中の兵士が、気が付くと死体に成って発見された。誰が、或いは何がどの様に殺したのか、見た者はいない。悲鳴等も、聞かれていない。

「足跡の、類いは?」

「ああ…」

 どうやら、死体を運ぶだけで手一杯で、誰も、その辺りを調べたりしていないらしかった。

「死体、見せて頂きたい」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み