第25話

文字数 396文字

「正直…」

 暫くの沈黙の後、ガイアンが口を開いた。
 陽が落ちかけ、室内は暗く成って来ていた。寒く成って来てもいたが、暖炉に火の用意はされていなかった。

「幾ら話し合った所で、それが正しいか結局判らないんだから意味は余り、無いよな」

「やっぱりあいつ、生け贄に捧げようぜ」

 ガルボックが再び、ジャフリカに目を向けた。

「有りだな」

「おい!」

「だが、それをしても無駄かもしれない…やっぱり我々が生け贄に成る手、一択だろ」

「怖いな…怯えて、死にそうだ」

 シャウタールが、冷静な表情のまま呟いた。

「明日、司令官と話付けたら…」

 ガイアンも、ジャフリカに目を向けた。

「勿論、俺の仕事は終わりだろ!帰らせて貰う…俺が残ってたって、邪魔なだけだろ!」

「勿論…ただ、一つだけ頼めるか?」

「なら取り分、増やさせて貰わないとな…何だよ?」

「アイカリアに戻ったら、鉄騎獣について調べられる限り、調べて欲しい」

「…判った」
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