第22話

文字数 321文字

 殺戮者。

 世界は、三分割されていた。それを意識と呼ぶなら極めて単純であり、その単純さは清冽とさえ、呼べたかもしれない。
 倒すべき、存在。味方の、存在。そのどちらでも無く、己と全く関連の無い存在。
 但し、未来に於いてはいつか、関連有るどちらかに成る事も有るかもしれない。
 関連無い存在に対しては、どんな理解も分析も必要無い。味方の存在に対しても、しかりである。
 全ては、倒すべき存在に向けられている。どの様な相手か、どの様な力を持ち、それをどの様に打ち破るか。己が逆に倒されるかもしれないという事は、考慮されていなかった。ただ、先に己がやられてしまっては結局、相手を倒す事にも繋がらない訳で、目的達成の為の要素としての守りが、有るのみだった。
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