第9話

文字数 264文字

 アイヌール川の水は豊かで、しかし流れは速かった。必然極めて冷たく、しかし真冬でも中々、凍らなかった。
 魚達が住むには厳しい流れでもあり、その意味では豊かとは、言えなかった。
 命の水であるに変わりは無く、様々な者達を潤して来た。
 しかし、舟で行き来するには少々速過ぎ、勿論、小舟を巧みに操る者達も決して少なく無かったが。
 大勢が行き来する道筋には、成っていなかった。
 流れに沿って多くの集落が転々としていたが、街と呼べる物は、街道との交差点に当たるザリアを除けば、無かった。
 その意味でも、豊かな川とは言えなかったかもしれない。
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