第14話

文字数 320文字

 冬と呼ばれるにはまだ早かったが十分寒く、小屋の中に置かれた二体の死骸は殺害時の傷を生々しく、留めていた。

「如何です?」

 誰も、答えなかった。ジャフリカの表情にさえ、緊張が有った。

「如何でしょう?」

 司令官は、ガイアン達の空気に気付いていない様だった。

「埋葬されているという、一人目の死に方も、同じですか?」

 暫くの沈黙の後、ガイアンが口を開いた。

「はい」

「参った…」

 呟いたのは、ジャフリカだった。此の時はガイアン達に、喋らせない空気が無かった。

「お前の方が、詳しいって気もするんだよな…何か、無いか?」

「正直、有るぜ」

 ガルボックの問いに答えたジャフリカの口調にはやや、勿体ぶった響きが有った。
 しかしガイアン達の表情は、動かなかった。
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