第18話 塔がとても高い話

文字数 548文字

 大きなモグラを操って地上ではなく地下を進み無事に目的地に到達した。
塔のふもとに到着した時は、すでに満天の星空。

「換気に気をつけ新鮮な空気を用意しながら掘り進むのは大変でした」

 私が自画自賛をしていると男が騒いだ。

「ただ地面に寝転んでいて大きなモグラに穴掘らせてただけじゃないか!」

 大きなモグラを操作するのがどれほど大変か理解してほしいです。

「大きなモグラが作った穴を通ってきたけど、大きなモグラはどこに行ったの?」

 エルフのお姉さんの質問に、どこまでも星空目指して上に伸びているかわからない塔を見上げながら私は答える。

「大きなモグラなら地面の奥深くで寝てますよ」

 私は、あいまいな言い方でごまかした。

「エルフのお姉さん。この塔ってどこまで上に伸びているのですか?」

 私の質問にエルフのお姉さんは悩みながら答える。

「それがわからないのよ。塔に挑戦して誰も返ってこなかったから」

 なるほど。
なかなか怖い話です。

「私とエルフのお姉さんはここで休んでいますから貴方が代わりに登ってきてください」

 私は男に命じた。

「無茶を言うな。誰も返ってこない塔に俺が登って生きて帰ってこれるわけないだろう!!

 私は、ため息交じりに答える。

「なら私が登ります。私が留守の間エルフのお姉さんを口説いたら駄目ですよ?」
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