第81話 イカの話

文字数 498文字

 さすがに四人も抱えて長距離移動は疲れましたが頑張りました。

「いきなり抱きかかえて跳ねながら移動しないでよ!」

 エルフのお姉さんが抗議してきましたが仕方ないのです。

「いきなり海に帰られると思っていなかった……」

 人魚さんは何やら呆気に取られていますが帰す気はありませんよ。

「どうして私達も……」
「おまけ扱いなら自由にして欲しい……」

 エルフのお姉さんのお友達二人も何か言っていますがおまけなど思ったことはありません。
私の愛は何人でも受け入れられるほど大きいのです。

「それで、どの辺に真珠とイカがいるのですか?」

 人魚さんに尋ねて確認しましょう。

「それならあの辺よ」

 人魚さんは岩だらけの海岸線でも目立つ奇岩の沖を示します。

「わかりました。皆の空腹のために先にイカをたくさん捕まえてきましょう。ですので火を起こしておいてください」

 私は、資金稼ぎの真珠の前にイカを取ると伝えます。
空腹のままでは機嫌も悪くなりますからね。

「吸血鬼って泳げるの?」

 エルフのお姉さんが可愛らしい表情で尋ねてきます。
これは後で楽しみです。

「たぶん大丈夫!」

 私は自信満々に答えます。
吸血鬼だって泳げて潜れて頑張りますよ。
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