第46話 強敵だった話

文字数 321文字

 実に強敵でした。

「吸血鬼のお姫様って、もっと可憐だと思っていたが……」
「なんでしょう?」
「頼むから爪を長くして威嚇するのは止めて欲しい」

 男の無粋な言葉を実力で黙らせます。
しかたないのです。
強敵だった人間のお姉さんの刺客を傷つけず無力化するには、あの方法しか無かったのです。

「いくら無傷で捕まえるためって、あれは」
「まだ何か言いますか?」
「頼むから丸太を両手でへし折って脅すのは止めて欲しい」

 男がぐちぐち話すのを黙らせます。
良いのです。
勝ったのですから。

「しかも吸血しすぎて自分が動けなくて刺客に逃げられるって」
「その点に関しては反省しています」

 エルフのお姉さん達からたっぷり吸血していたのを失念していました。
吸血鬼って苦労が多いです。
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