第83話 才能の話

文字数 490文字

 イカを生のまま運ぶのは衛生的ではないと考え焼きイカにしてから帰ることにします。

「こんなに焼きイカ作ってどうするの?」

 好奇心が強いのかエルフのお姉さんが尋ねてきます。

「お土産です。留守番と片付けと掃除をお願いした人に」
「すっかり忘れていたわ!」

 私の答えにエルフのお姉さんは驚愕して叫びます。

「毎日イカを食べるのは人魚でも無理よ?」

 人魚さんは調理前のイカを摘まみ上げながら指摘します。
そうですね。
私も毎日イカしか食べられないのは困ります。

「明日はタラでも探しましょう」

 魚ならイカよりは食べられるでしょう。

「エルフに魚料理って大丈夫なの?」
「毎日魚料理を食べたことが無いからわからない」

 エルフのお姉さんのお友達二人は心配そうです。
確かにエルフが毎日魚料理を食べているかは不明ですね。
注意しておきましょう。

「それでは帰りましょう。焼いたイカは皆さんで持ってください」

 私は、来たときと同じく美人たちを抱えて帰りました。


「せっかくイカを釣ったのならそのまま持ってこい。俺が美味しく調理するから」

 男が焼きイカを見て開口一番騒いでいます。
もしかして料理の才能でもあるのでしょうか。
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