第９２話　二人担いで満足な話

　助けにしたエルフのお姉さんのお友達を二人担いで帰宅中です。

「どうして助けに来たの!?」
「どうしても助けたかったのよ……」

　眼鏡をかけたエルフのお姉さんのお友達が落ち込んだ声で反省しています。
すぐに懸念事項が取り越し苦労だとわかるでしょう。

「私達が捕まっている間に皆が逃げられたら良いけど」
「それならバラバラに逃げたから大丈夫。すぐに皆が吸血鬼退治の強い味方を集めてくる」

　エルフの二人は、その吸血鬼に担がれて運ばれているのに暢気な話をしています。
彼女たちの性格なのかよくわかりませんが暢気に感じます。

「これから私達どうなるのだろう……」
「わからないけど、きっと生き残れるよ!」

　私は優しいですから快適な生活を保障しますよ。
もう私なしでは生きられないぐらいの快適さでの生活を目指していますから。

「そうね。私達は駄目だったけど、あの子たちなら賢くて強いから吸血鬼を退治してくれるよね!」
「すぐに吸血鬼を退治して助け出してくれるよ!」

　まだまだエルフのお姉さんを見捨てて逃げ出したお友達は多いようです。
これは生活費をもっと安定的に稼がないといけないようです。