第７８話　目覚めた話

　美人に囲まれての目覚めは最高です。

「本当にありがとうございます」

　私は、今日の目覚めに感謝の気持ちを大きな声で伝えます。

「寝ながら噛みついてきて何を考えているのよ!」

　エルフのお姉さんが怒っていますが何時もの事です。

「まさか背びれに噛みつかれるとは思いませんでした」

　人魚さんが何か小さな声で抗議しています。

「私達に噛みついてこなくて良かった」
「うんうん」

　エルフのお姉さんのお友達が元気そうでとても良かったです。

「それで、今日はどんな予定なの?」

　いつの間にか男が起きていました。
元気そうで良かったということにしておきましょう。

「そうですね。エルフのお姉さんを置いて逃げだしたお友達を探す事でしょうか?」

　私の提案にエルフのお姉さんは激しくうなずいています。

「それなら俺はこの洞窟をもっと住みやすく改築しているわ」

　男が頭をポリポリかきながら洞窟内を見渡しています。
そうですね。
住環境の整備は大切です。
ここは男に住環境の整備をまかせて美人を引き連れてエルフのお姉さんのお友達を探すとしましょう。