夏の大・小田急マツリに向けて-ぼくらのヒーローLSE!

文字数 2,342文字

ワタクシ達の2018年は正月鉄道模型合宿から始まったのだ。昼はLSE乗車、夜は模型製作合宿。おせちも食べて素晴らしい正月となった。
ミエくんがコンプリート化を目指してTOMIXの製品の改良に挑んだ作品がこれである。まずメーカーのTOMIXはヘッドライトとテールライトをつくように製品を改良したとき、先頭車の車高を上げてしまったのだ。ゆえ、ミエくんは集電バネを少し切って調整したのであるな。
バネを専用品にできないからと言っても、共通の集電バネを使ったノーマルだと先頭車がウィリーしたみたいになって編成美が損なわれてしまいます。連接車の魅力はその編成美にあります!
またよく見ると分かると思うのだが、展望室の窓柱を裏側から細い黒テープで裏打ちしておるのだ。製品だとガラスパーツのモールドに色差ししただけで心もとない。この裏打ちによってかなり強度感・安定感が増すのだ。
実車を見た後で気づいたんですが、運転室真下のBピラーはもっと太かったので、裏打ちを追加しました。これで運転室が宙に浮いたような不安定感は解消できました!
すごい細かい観察……。
ここまで愛されたLSE車も幸せですわね。
なにしろワタクシ達にとってLSEは小田急ロマンスカーの中でもヒーローであったからのう。独特の伸びやかなラインのキレと柔らかさの調和。まさに昭和デザインの粋であるのだ。
ちなみにワタクシの持つライトチューンのLSEはこうなっておる。
運転台の内装まで!!!
後尾になるときは運転室灯がつくとはいえ、ここまで作るなんて!
前進時はこんな感じである。ヘッドライトが角目で内側に寄るのだ。製品ではここまで再現してはおらぬ。ミエくんとワタクシのLSEはここまで作っておる。
後退時はこんな感じである。テールランプは左右に振り分けられる。あちこち汚いのは失敬であるが……。
写真は残酷ですわ……。これ、横幅2センチしかないのに、ここまで厳しく写ってしまうなんて。
それでもアップに耐えうる同じものを作ってしまうミエくんの腕の確かさはさすがなり。
いやー、それほどでもー。
そして我々は念願のLSEの前展望室に乗車。その走りと眺望を堪能したのである!
本当に素敵でした!
そして帰ってからの合宿工作である!!

このマイクロエース製371系、運転台がシースルーでないどころか運転台コンソールもないのだ。初版であるからのう……。いつかシースルー化したいと思うておった。

そこで私は「そのドリルはなんのためにある!」と言ったのです。とあるアニメのセリフです。
ミエさんそういうとこミーハーだけどどアツいですよね。
ワタクシはしばらくためらっておったのだが、
わ、本当にドリルが出てきた!!
というわけでワタクシがライト類の工作を、ミエくんがシースルー化の物理工作を担当して、協力プレイでシースルー化に挑んだのである。
ところがこのノーマルのライト基板、謎なのである……。LEDを3つも使いながら、うち2つは点き方も色も全く同じなのだ……。
LED2つでいいじゃないですかこれなら……意味分かんないですよ。
ゆえ、ポイッとこの基盤はボツにして、ブリッジとチップLEDとダイオードで代わりを作ったのである。
ミエくんがコンソールを作りつつあるなかテールランプ点灯。

こうして外がよく見える展望の良さが371系の真骨頂であったのだ。ワタクシの好きな電車の一つであるのだ。

しっかり愛称幕が白色に輝いているのがまたよいですわ。ちゃんと光の色が違っているのがこだわりですわね。
これが前進状態である。ヘッドランプは電球色、愛称幕は白色、そして前頭部にすこし光が散って光前頭のようになっておるのが特徴なり。
バブル期の設計らしい豪華さですわ。素敵。
そしてポポンデッタ海老名でシェイクダウン走行である!
いいなー。本物っぽいー。ほんと80年代の小田急線の華やかな雰囲気だなー。
私も参加したかったなー。
そしてガルパン劇場版最終章を海老名の映画館で見て、鉄道模型強化合宿は〆であった。これも実に良い映画であったぞ。あまりにも良くて映画館の下の回転寿司で1時間以上も感想を語り合ったのである!
いかにもミエさん大喜びですよね。ひどいっ。
ひどくないですよー。でもほんと、楽しかったなー。
そして我々の小田急ロマンスカーへの愛も高まっていく。

ミエくんが帰還した後に行ったVSEのワイパー強化もそのひとつなのだ。ロマンスカーの2階運転席のワイパーは位置が高くて途中交換が難しいので、破損に備えて特別構造なのだ。それを表現したのである。

左がノーマル、右が改良後ですね。細かいけど印象がすごく変わりますね!
そうしていくうちに春が近づき、関東に豪雪が降った。

そんななか、ワタクシに一つのアイディアが浮かんだ。

わっ、なんか嫌な予感がブワッと!!
総裁ナチュラルに悪巧みするからなー。ひどいっ。
ここまで小田急ロマンスカーに惚れ込んだら、その舞台にもこりたくなるのは必然と言えよう。

ゆえ、次回はその話であるぞよ。

ちなみにこのころ何度か新宿に行く用事があって、その度にLSEを観察しておった。撮影の人も少しずつ増え始めておった。そう、LSE実車との別れが迫りつつあったのだ。
でも視点がホント模型鉄だなあ。運転台の内装まだ観察してたり。
事実ワタクシは模型鉄であるからのう……。
ほんとにLSEはヒーローだったんだねー。
設計段階でも先代のNSEに対し「男っぽいロマンスカーを」との要望でデザインされたのがLSEであるともいう。しかし見れば見るほど素晴らしい造形である。スカートと前頭部の間にちょっとした膨らみが作られていることなども実に素敵だ。ミエくんがそれに気づいたのである。
さすがのミエさんの観察力だなー。
恐縮です―。
つづきますー。
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。

武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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