拡大する戦線

エピソード文字数 3,324文字

ミエさんの工作、着実に進んでいるような気がするから大丈夫だと思うんです。総裁みたいに急く工作じゃないところが持ち味だと思うし。
ところがまたワタクシは目が点になったのだ!
えっ、どうしたんですか!
突然ミエくんがこんな工作を始めたのだ!!
えええっ、大洗駅全然進んでないっぽいのに!
ワタクシは「よく怖くないなあ」と正直思った!!
だって去年のジャパリトレインの後尾車がなかったから、いただきもののサロンエクスプレス東京の展望車を使うこと思いついちゃって。てへ。
「てへ」じゃなーい!
この時点で6月5日! あと2ヶ月ちょっとしかないのだ!!
ひいい!! ミエさん度胸ありすぎてヒドイっ!!
アルパカさんフィギュアも作ったんですよ。
大洗駅は! 大洗駅はどうなったんですか!
ケーブルダクト作ったり、
排水溝作ったりしてました!!
あとこの線路と線路の間の謎の蓋つくったり!
み、ミエさん、全体は、全体はどう進んでいるんですか……?
ワタクシも流石にびびったのだ。

なにしろこの間にフラッグシップ車HiGSEの話も聞こえなくなった!

そのためのインレタをワタクシがデザインしたのに続報がない。

正直ワタクシは焦り始めておった!

特にJAMコン出展のレールはワタクシが用意するのだ。こうして数を確認し準備し、さらにリハーサル運転までせねばならぬ! しかも問題点洗い出しのために2回、しかも公開運転リハーサルである! 私はビビりまくっておった……。
ビビりまくったフラストレーション! そして著者が続ける愚痴! そういうモノを相手にワタクシはそのエネルギーをこの工作にぶつけておったのである!
総裁、大変だったんですわね。
総裁、そんなことしてたら総裁自身が壊れちゃいますよ。
駐輪場テント下の構造も見直して取り外し式にしたんです。
ミエさんマイペースだなー、ほんとー。
トイレ近くの街灯をパールビーズで作りました。
でも地道に進んでるなあ……。
そして6月19日。ミエくんの荷物発送まで残り53日となったときである。
モーターカーのキット取り寄せて津川の動力にかぶせてみたんです。
えええっ、また新しい工作始めちゃったんですか!!
いくらなんでも……ヒドイっ!!
流石にワタクシもこれにはビビった!! ミエくんにとうとう「大洗駅とHiGSEどうなったの?」と聞かざるを得なかった!!
総裁、それはぶっちゃけ、キレちゃったんですね……。
何しろワタクシはそのときすでにこういった告知を公開しておったのだ!
公開リハーサルの告知……。総裁、正直、孤立しかかってたんですね。
今回の一番のピンチであった!!
レール数の確認、搬入物の確認……重なった地味な事務作業もさらに追い打ちをかけておった!
そこでとうとう総裁と深夜、突っ込んだ打ち合わせをしたんです。
ひいいい、ほとんどケンカになっちゃいそう!!
とはいえ目的は同じ展示なのであるから、あくまでも打ち合わせなのだ。方針の確認である。
総裁とミエさんの激突……。
だが、それでお互い納得するところもあり、お互いそれぞれに邁進することと決したのである。
それでうちの「奇車工場モジュール」と「大洗駅モジュール」の下を隠すものをなにか考えることになったんです。私はグリーンマックスの石垣板を大量に貼り付けようかなと思ったんですが。
それでは芸がないので、ミエくんにいろいろな採寸をお願いしたのだ。
この採寸図をもとに、ワタクシはこんなものを作り始めたのだ。
みっ、ミライエ!! 渋谷ヒカリエじゃなくて!? ヒドイっ!!
ショッピングモール風味にしちゃうの―? これは立体駐車場ー?
さふなり。せっかくだから奇車工場と大洗駅の2つのモジュールを一体の商業施設としようと思ったのだ。
大洗駅のエキチカにまいわい市場!
ガルパンギャラリーもいっしょに!? ヒドイっ!
ぼくたち「鉄研でいず!」のミュージアムも作っちゃうんですね。「勝手に聖地計画」で本当に聖地にするなんて。
まさにやりたい放題……!
北急シネマという映画館、シネコンも併設したのですね。ガルパンを上映中とは。平成の大規模ショッピングモールの時代を切り取ったのですね。なるほどです。
入居テナントをこのように表示しているアウトレットパークやショッピングモールもよくありますものね。
しかし実際出力してみると、やや小さかったのである。縮尺計算で小数点以下の切り捨てを間違えてしまったのだ。
ちょっと設計のやり直しが必要ですね。
そうこうしているうちに風祭駅モジュールの運搬ケースが出来上がってきたのである。
風祭駅モジュールをどんどん作り込みもするのである。
農協の付帯工事も進めるのである。
その頃大洗駅はこうなってました。
線路のウェザリングはこれで完了です。奥の留置線部分ですが。
こっち側の駐輪場はこんな感じ。
総裁からもらった機器箱もここに設置しました。
そして大洗駅の公衆トイレ、これで完成です。
ワタクシは一方、このように心静かに手持ちのVSEをベテラン仕様にウェザリングしたりしておった。
レイバーを風祭駅モジュールに出動させたり。
鉄研副顧問の舘先生から届いた本がたまたま風祭駅でのロマンスカーと1000形の交換シーンであったことに気を良くしてさらにガンバルのである。
しかしミエくんの様子がわからなかった頃、こんなものも作っておったのだ。
LINEのスタンプじゃないですか! いつの間に!!
イマイチ使いにくいので研究が必要である!!
また、こんなものも研究しておった。
風景ですか?
さふなり。景観CGでモジュールの背景を作ろうとしておったのである。
試作ではこうなるはずだった。
すごい! 虹が出てる!!
でも継ぎ目が目立っちゃってヒドイっ!
継ぎ目無しで出力する方法を調べたのだが、5000円以上かかることが判明、そのうえ風祭駅モジュールはコンペ参加しないことになったのでこの背景板は日の目を見ないことになった。
それは辛いですわね……。
こういう計画図だったのだが、
こうするしかなくなってしまったのだ。
せっかく作り込んだ風祭駅モジュールがこんな奥に……。これじゃモチベーション下がっちゃいますよ。
事実、ワタクシもヤル気を失いかけた。
そりゃそうですよ。ヒドイっ。でもなんですか、裏切り、って。
詳しくは語れぬのだ。だが、ワタクシが彼を信じたのが馬鹿であったのだ。彼に誘われ、強要され、しまいにはおだてられてその気になったワタクシが愚かであったのだ。
そんな……。
でも、これでもやるしかないのだ。それがテツ道というものなのだ。
テツ道って、厳しいですね。
さふなり。
悲しいところもありますね。業と言うかなんというか。
さふであろうの。
その沈むココロを救ってくれたのもまたミエくんの工作であったのだ。着実に進んでいく工作にワタクシはか細い希望を見出したのである。
すごく実感的……。
少しずつですけどちゃんと進んでますね。
テント奥のごちゃごちゃも少しずつできてきましたね。
ワタクシの方、風祭駅はその数週間前にここまで進んでおった。
うわっ、緑化もだいぶ進んでたじゃないですか。
「かまぼこの里」の建物の窓入れも行った。しかし窓につかったフィルムが印刷時に溶けたのでイマイチでやり直したのだ。
列車の姿が映り込むのが楽しいのにこれではつや消しですわ。やり直しは正しい選択ですわ。
かまぼこの里の玄関も作ったのである。ひたすら柵、柵、柵の工作である!!
3Dプリント製機器箱、風祭駅にも配置である。
ペーパー製柵の塗装。瞬間接着剤を染み込ませておるからできる方法である。そうでなければふにゃふにゃになってしまうのだ。
そしてこの風祭駅モジュールはフィーダー線路内臓であるので、給電可能であるのだ。給電状況の確認である。
なぜに223系……。ヒドイッ。
他にテスト用に適当な車両の手持ちがなかったのだ……。
そしてかまぼこの里の内装を作り始めた。
非常識に細い椅子とテーブル!
カッティングプロッタの威力発揮である!!
そしてこの様になった。
明かりがつくとこんな感じである!!
ここまで作って展示があの奥とか……残念だなー。
その分ミエくんの大洗駅に期待するしかないのだ。
そうだったんですね……。
工作は更に続くのである!!
つづきますー。
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。

武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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