リベンジの引込線

文字数 2,291文字

去年の仕掛品、入換信号機のある引込線のはなしである。
あのNOTゲートを使って動作させようとしてた入換信号機つき引込線ですね。
去年は時間不足と誤動作頻発で涙をのんだ。

しかし! 今年は違うぞ!

回路的にめちゃめちゃ複雑になっちゃいましたね……。
フォトトランジスタにNOTゲート、さらにはノイズ除去回路とどんどん回路が増えていったのだ。収拾がつかなかった。しかも誤動作する。サイアクであった。
それでも工作は続けておったのだ。
まず輸送時のダメージ軽減のために防護枠になるよう、架線柱を作った。真鍮線で添え木しながら長さを変更したのだ。
トミックスから長さ変えられる架線柱出てますよね。それ使えばいいのに。ヒドイっ。
やだなー、今年は予算が足りないからすでに買ってあるKATOの架線柱を改造しなきゃいけなかったんだよー。お金かけず手間かけるしかないもんー。
さふなり。新規購入はできるだけ避けたいのだ……。レール類も廃業した鉄道模型シェアハウスのレールを使わせていただいたりとやりくりをかさねて、なのだ。
そして配線を収めていく。
すごいコードのスパゲッティ……ヒドイっ。
この頃は信号機からの線をアノードやカソードの片方をまとめることをしておらなかったので、3灯の信号機で線が6本も出ておった。まとめてしまえば4本ですむ。信号機は4基あるので16本で済むところが24本にもなっておった。
ひいいい。でもこの頃の技量ではアノードコモンとカソードコモンが混在しちゃいそうでしたものね。仕方がないかも。
恐縮である。
いや、そこ恐縮するところじゃないって。ヒドイっ。
このように点灯する。
停止の標示灯は赤灯にしたんですね。鉄道会社によって違うけど、これのほうが見やすくわかりやすいですね。
配線部分はこうして地面を作って埋めてしまった。断線は主にはんだ付けの部分で起きるからの。途中の線のところは埋めてしまってもヨイことがわかったのだ。
線の途中は力がかかるとかがなければ切れる理由がありませんものね。
点灯のためのコネクタ部分はこのような鉄道施設の建物を作って誤魔化したのである!
いかにもありそうな感じですよね。こういう建物。ヒドイっ。
ツバメちゃん、ここはひどくないよー。それよりウェザリングが結構効いてて見栄えするなあ。
そしてこの様になった、
車両基地っぽくなったー。
でもトミックスから車両基地セットが出ましたよね。これの後ですけど。
うむ。さふなり。しかし我らは黙ってこれをやっていくのである。
あ、でも回路の誤動作問題はどうなったんですか? 解決したって……。
このような回路を投入したのだ。デジトラックスSE8C。シグナルデコーダーである!
DCC、デジタル制御方式の鉄道模型に使うものだと思ってたのに、通常アナログ制御のこの鉄道模型に使うんですね。
これをロコネットというケーブル経由でPCから制御すれば、信号機の動作は確実であるし、なおかつ! これにポイントデコーダーDS52も2基使うことにした。これにより分岐器の転換もPCのソフトから自動制御可能になるのだ!!
これがその操作画面である!!
でも車両がどこにいるかはPCでは検知できませんよね。
そこは目視と手動で行うのだ。
いまいちハイテクなんだかローテクなんだかビミョーですよね。
だが! これで分岐器と信号機を連動させることもできるし、それに驚きのギミック、なんとサウンド機能をつけたのだ!! 分岐器を操作すると分岐器の転換音が響くぞ!!
そんなものを。でもその転換音って音源どうしたんですか?
それは後でまた話すのである。
この回路もこの建物を模したハコで隠すのだ。
回路むき出しよりはずっといいですよね。
ちなみに他にも去年の展示の後、いろいろと作ったものがあるのだ。それが高架線のいろいろなのである。
効果と高さを合わせた築堤なのである。ペーパーでまず作ったのだ。
雰囲気出ますねー。バックのマンションとか見てるとなんか多摩ニュータウンって感じ。
これをこのように仕上げたのだ。
ローカル幹線ムードになりましたわ。これもまたたのしいお立ち台になりましたね。買ってきた車両をただ置くだけでしばらく楽しめそうです。
気を良くしてこんなものも作り始めた。高架と高さを合わせた築堤の骨組みである。
でも作るのは築堤じゃないじゃないですか! なんですかこのアーチは!!
アーチ橋が作りたくなってしもうてのう……。
これまで地平レベルしか作れませんでしたものね。こういう工程のある風景を作りたくなるお気持ちはわかりますわ。
この舟、既成品だけど地味にいろいろ汚しとか入れてあってリアルになってる。なんか刑事ドラマに出てきそう。
下は親水公園みたいにしたんですわね。ああ、なんだかこれだけで妄想が大変はかどりますわ。ドラマのワンシーンみたいですわ。
トレンディドラマに憧れがあるのでのう。昭和末期から平成初期のあの雰囲気を残したいと思うたのだ。今年で平成も終わるので、それもまた歴史の中に入っていってしまうのでな。
最後に専用ケースに収めて〆である。
こういうものは収納や運搬のことを考えるのが値打ちに一番関わりますよね。何でも鑑定団で「ハコが大事」というのはそれですよね。
うむ。ワタクシは完成するとタイトルと完成日を入れるようにしておるぞ。記念にもなるし管理にも役立つのだ。
そういうことも大事ですわ。
こうして去年できなかったことを次々とリベンジしていったのである。

だが、ここからさらに戦いは続くのだ。

なにしろこれをやっておるうちに、とある事に気づいてしまったからのう。

なんです気づいたことって?
それは、続きにて!!
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。

武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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