平成最後の魂の10日間(3)奇跡と栄光の2日目

文字数 4,373文字

このJAMコン2日目はtomy Hiratsukaさんが動画撮影してくれた! それを静止画キャプチャしたものをここに掲示する。その実に素晴らしいカメラワークのtomyさん撮影編集の動画もリンクしておくので読者諸賢にはご参考になされたい!
tomy Hiratsuka - YouTube チャンネル


第19回 国際鉄道模型コンベンション Nゲージ 自由環状線(まぼろしライン)~北急電鉄レイアウト~ 走行シーン集 2018.8.18


(このページの特記までの写真はtomyさん撮影の動画のキャプチャです。協力に感謝!)

入換信号機が停止になってるけど、待機しているこの紫色の列車は? 見慣れないけど……まさか自由形!?
さふなり。すみ鉄おうちレイアウトさんという、YouTubeでご活躍の方の作品なり。tomyさんもそうだが両名、自由形もじつに上手に制作するのだ。この写真の青いN'EX、マリンエクスプレス踊り子はtomyさん製作なり!
色使いがビビッドだし、塗装も丁寧でステキですね!!
いよいよ入換信号機が進行現示になった! 出発である!
でも実際はシグナルデコーダーSE8CをPCから操作してるリモコンですよね。そしてパワーパックのボリューム上げて出発。
在線検知のないアナログ方式Nゲージだから仕方ないのだ。むしろこれが普及に難のあるDCCであったらこういうコラボはまず無理であろう。
たしかにそれはド正論ですね。走行する列車を選ばないためにはこれしかありませんね。
分岐で身を揺らして走り出していく列車はいつ見ても趣がありますわね。連続写真風味でステキですわ。
このすみ鉄さんの列車のテールランプ、こうなってるんですね! すごく未来的でカッコいい!!
「ALPINE」という試験ハイブリッド気動車とのことである。スーパービュー踊り子からの困難な改造で生まれた力作なり!
スーパービュー踊り子といったらバスタブ式のシャーシで改造難しいのに、ここまでするなんて。ヒドイっ。
ツバメちゃん、そこはヒドイっ、じゃなくてすごいっ、でしょ!
tomyさんは先程のマリンエクスプレス踊り子だけでなく、この「あじろぎ」なる自由形編成も参戦であった。289系を和風に仕上げたもので、宇治川沿いにある「あじろぎの道」が愛称の由来なり。姫路から宇治への運転を計画するなど実にシブい。またその工作も丁寧である!
運転経路まで綿密に計画しているところが個性的ですね。実際の配線では無理かもしれませんが、ついどこでも走れる列車にしたくなる自由形車両をほんものの車両のように投入線区を絞って計画するのもまたステキです!
それもまた自由形車両の楽しみの方向であり得るのだなとワタクシも感心したのである。このシリーズには「早蕨」という車両もあるらしい。実に楽しいシリーズなのだ。
それが大洗駅で鹿島臨海戦車道臨時列車と離合する!! なんとSF的に妄想が捗るシーンであろうか! これも双方、良く出来た自由形車両の共演だから成立するのだ!!
ほんとそうですね。なんでもアリの自由形だけど、そこに世界観があるところがただのなんでもアリとは一線を画しますね。
ミエくんの参考出品、大崎バスターミナルと「あじろぎ」と戦車道臨時列車の邂逅! 大崎バスターミナルにはミエくんの乗ってきたウィラーエクスプレスのバスに「けものフレンズ」のKEMONバスが発着!!
これもファンタスティックで楽しい風景ですわ。これもどれもが高いクオリティでできているからこそ、ファンタジーが成立していると言えます。またこの密集感がとてもただのテーブルの上に敷いたレールのレイアウトとは思えないところがありますわ。
高架下のバスターミナル、高架の向こうを走り抜けるハイブリッド気動車、そしてその向こうに留置された装甲列車にロマンスカー。まさに独特のオリジナリティあふれる世界観ですわ。
これもこういう造り手の協力があるからこそできる奇跡なのだ!
1/150の創作フィギュアの集う大洗駅。見ててなんとも楽しいですね。そして大洗のコミュニティバス・海遊号にさらに「けものフレンズ」仕様のバス。作り手の作品への愛が伝わってきますね。
ジャパリトレインも車両工場で休んでるー!
そしてその建物群の最上部屋上テラスがBトレ走行ベースになっていて1/150ジャパリバスが走る……好きもここまでくればもはや一つの道ですね。
これもまた「乙女のたしなみ・テツ道」の一つの精神であるのだ。生まれて確定性の生じた作品自身に罪はない。造り手にどんないざこざがあろうとも、作品そのものの命は変わらぬのだ。作品への愛と造り手への愛は峻別せねばならぬ。優れた作り手は優れた作品を生むことは多い。しかし、その関係性を過度に考えすぎると、作り手に過剰な要求をすることになることもあるのだ。
総裁もよく言ってました。「ワタクシが我が著者のようなド変態から生まれたことがどうやっても解せぬ」(口真似して)って。私はああいう著者さんだから総裁が生まれたんだと納得してたんだけど。
うぬ、その発言はいくらミエくんでも看過できぬぞ。あの著者はのド変態ぶりは
はーい、読者にとって話題性も興味もないうちの著者の変態自慢しないのー。
ともあれ、けものフレンズが優れた作品であることと、そのあといろいろ揉めたことについてはあえて切り離して鑑賞するべきであると心得るのだな。そしてこういうファンアートもその切り離した上で楽しむのが肝要であろう。
そうですよね!
しかし大洗駅よく出来てるなー。ヒドイっ!
鉄道風景として、バックが奇車工場の下を隠す書割とはいえショッピングモール風味なのがいかにも平成末期の表現ですわ。思えばわたくしたち鉄研もいくつものこうした平成の風景を見てきましたものね。
昭和、明治、大正の風景も大事だが、この平成の風景の忠実な再現もまた我がテーマなのである。これも数十年経てばきっと貴重なものになる。日常を切り取る観察の意義はそこにあるのだ。同じ日常はこの世界に今までかつて一度もない。しかしそれを我々はありふれたと感じ、残すのを怠った。ゆえ、歴史上にいくつもの空白が生まれ、そこに擬似歴史が生まれてしまう。それを防ぐ豊かな歴史を残すのはまず日常の心がけからなのだ。ただ珍しいから残すのではない。埋もれた価値を見出して冷静に残していくのだ。
鉄道撮影もそうだよねー。ネタ車だから残す、だけだと肝心なものを見失うよねー。
華子は偉いのう。そういうことなり。
光り物は強いなー。信号機とか踏切とか目立つもんなー。
その分時間と労力と断線やハンダ不良、動作不良との戦いがどっさりあるのだ……ククク。
ああっ、総裁が設営のときの苦労を思い出して壊れちゃった!!
電気系トラブルはあんまりひどいと精神的にキますからね。しかたないかもですね。
複々線は迫力ありますね。しかも描写的に弱点のカーブをこの複々線トンネルで隠すのは正解でしたね!
その上の公園には満鉄「あじあ」号の食堂車をつかった保存車レストラン……。きっとここではあの「あじあ」号車内で供されたというまぼろしのカクテルも味わえるのではないでしょうか。ロマンですわ。
もー! 詩音ちゃん、それはアルコール! 私達は非実在でも未成年、アルコール禁止! もう、詩音ちゃんそういうところ危ないんだから。ヒドイっ!
第2菖蒲トンネルを出てくるHiGSE、ライトの移設が威力をものすごく発揮しますね。電子工作、LED工作苦手でも美軌模型店さんのLEDを使った表現で補ってじつによく表現されてます。
トンネルから飛び出してくるスピードと迫力もいいですよね!
うっ、御波くんとカオルくんの感想のこの違いは……。
はいはい、どーせ私の感想は「小並感」ですよーだ! 総裁ヒドイ!
うっ、そういうイミではないぞよ……。
もうっ、総裁知らない!
この後姿もいいですよね。運転室灯がついてるのも。
そのために窓ガラス犠牲にしちゃったんです……。
尊い犠牲だったんですよ! 無駄にはなってませんから!
夢の周遊列車「あまつかぜ」「瑞風plus」の並走シーンですね。「瑞風plus」はミエさんの友人・奇車製造筑波の作品。651系スーパーひたちからの改造で仕上げた力作ですね。
反対側をゆくHiGSEもあいまって実にゴージャスなのだ。まさに夢の鉄道風景。しかもこれはコースのバックストレートになる。どこをとっても楽しい風景になって実によかったのである!
見れば見るほどすごい風景ですよね……ヒドイっ!
風祭駅も結局、展示の奥の設置とはいえ存在感があっていいですわね。これがなければやはり中盤がもちませんでしたわ。総裁の失意も報われたと思います。
VSE改もよく走ってくれた。3日間ばっちり走り続けてくれた。やはりVSEは模型としての走行安定感はダテではないのう。メーカーも展示運転時に頼りにするのがよく分かる。
ゆったりとしたカーブをゆく連接車はまた格別ですね!!
そうさのう……。
また二人でいつの昔かわかんないアニメネタしないの! ヒドイっ!
そしてHiGSEとGSEの共演!! Twitterでも活躍の有名なNゲージモデラー・ぐそくむしさんがこのために再塗装したフルスクラッチモデルのGSEとHiGSE! まさにこれこそ今回のJAMコンのわれわれのベストショットなり!!
ステキでしたね、ぐそくむしさんのGSE。
製品模型が冬には出てしまうとはいえ、このモデリングの腕が素晴らしいことにはなんの影響もない。実に素晴らしい!!
(ここから以下の写真は著者撮影)
わが夢がかなった瞬間なのである!
またロマンスカーマツリの傍らでは共催で丹鉄マツリも急遽開催。これもまた模型鉄の祭典JAMコンらしい風景なり!!
ステキですよね。このために全国の模型鉄がこの日に東京のこのビッグサイトに集まってくるんですもんね。
かつての私もその一人でした。兵庫の山奥からこの日のために、この日を夢見てやってきていたんです。
ワタクシもそうであったのだ。そしてそれを受け入れる側になれた。もう望むことは他にないかもしれん。
そして感動と歓喜のうちに、多くの、そしてかけがえのない模型友との協力による、素晴らしい2日目の展示が終わったのだ。ワタクシは幸せであったのだ。
そして2日目の閉場とともにビッグサイトを出ると、この夕日に秋の風、秋の虫の声であった。
JAMコンが終わると秋が来ますね。毎年同じこと言っちゃってるけど。
さふであるな……。こんな夏は、もうあと何度あるだろうか。
え、やだなー! 寂しいこと言わないでくださいよ総裁!
ともあれ、これで2日目が終わった。次回はいよいよ最終日、3日目なのである。

今度は撤収作戦もある。気は抜けぬのだぞ!!

そうですよね、ヒドイっ!
つづきますー!
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登場人物紹介

長原キラ ながはらキラ:エビコー鉄研の部長。みんなに『総裁』と呼ばれている。「さふである!」など口調がやたら特徴ある子。このエビコー鉄研を創部した張本人。『乙女のたしなみ・テツ道』を掲げて鉄道模型などテツ活動の充実に邁進中。


*総裁のびっくりヒミツ能力(順次公開)

・隠れオッドアイ。安いラノベのキャラだと思われたくないので視力は悪くないのにカラーコンタクトをはめて眼の色を合わせている。しかしこのオッドアイのその眼を見てしまうと自白させてしまう作用がある。あまりにも危険なのでそれを抑制するためにもカラーコンタクト。


 ほかにもまだまだあります。

葛城御波 かつらぎ みなみ:国語洞察力に優れたアイドル並み容姿の子。でも密かに変態。しかしイマジネーション能力は随一。

武者小路詩音 むしゃのこうじ しおん:鉄研内で、模型の腕は随一。高校入学が遅れたので、実は他のみんなより年上。鉄道・運輸工学教授の娘で、超癒し系の超お嬢様。模型テツとしての腕前も一級。

芦塚ツバメ あしづかツバメ:イラストと模型作りに優れた子。イラストの腕前は超高校級。「ヒドイっ」が口癖。


中川華子 なかがわ はなこ:鉄道趣味向けに特化した食堂『サハシ』の娘。写真撮影と料理が得意。バカにされるとすぐ反応してしまう。

鹿川カオル かぬか カオル:ダイヤ鉄。超頭脳明晰で、鉄道会社のダイヤをアルバイトで組んでしまうほどの『ダイヤ鉄』。プロ将棋棋士を目指し奨励会所属。王子と呼ばれるほどハンサムな女の子。電子回路やプログラミングが得意。

田島ミエ たじまみえ:総裁の古くからの友人。凄腕の模型テツ。鉄研のみんなと一緒に大洗などを旅行したものの、関西在住で滅多に会えない。なおかつその実像は不明。

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