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文字数 499文字



大人のジンジャーエールを
喉の渇きに任せて
飲み干した先に待つ
ジンジンとした刺激と
見上げたお洒落な電球が
涼しさを演出して
少し夏を先取りする
子どもの頃に苦手だった
いくつかの味は好みに変わり
子どもの頃平気だった
触れたモノが大嫌いに変わる
たった一人でもこんなにも
変化を楽しむ生き物なのに
どうして周りは
変化を望んじゃいけないのだろう
街並みは変わる
新しいことが出てくる
好きな服を着て
好きな人の真似をする
いろんな移り変わりを
みんな目の当たりにしているのに
秩序という名の右向け右は
何か大切なモノを置き去りにして
ハリボテだらけの正しさの上に
大きく聳え立つビルを建てる
何もかもを埋めてしまいながら
どこまでも高く雲を突き抜けて
みんなが立派だと言うのに
いつまで経っても
入り口すら見つからない
中には何が詰まっているの
誰もが欲しがる自由な未来は
もう随分前に埋められた
あの上に住んでいる人は
この下で探し物している僕らが
見えているのか聞いてみたい
最近言葉もわからなくなってきた
もうすぐ僕らは終わるのかな
たどり着いても入れないビルの前で
僕らの叫びはビル風にさらわれて
雑音とともに消えていく
この世界のどこかで生まれた
たくさんの声と一緒に
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