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文字数 443文字


雲の多い晴れた空
そんな隙間をぬって
日差しは鋭く暑くて痛い
何もない僕を刺しても
流れ出るモノなんて
あるはずがないのに
何故か汗と苛立ちと不満だけは
すぐにゴミの山を作る
とりあえず歪な形で
生き抜いてはいるらしい
社会という器は僕には
海より大きく深い
波に戯れる割れた貝殻のように
不規則にくるくると廻る
そこで目の当たりにする
他の誰かはいろんな形で
どこか儚げで美しく踊る
そしてこんな僕のことを
スーツという鎧を着て闊歩している
それだけの存在というだけで
偉い人の言うキチンとした人
そんな括りで見てくるんだ
不本意だけどそれがボーダー
信号が点滅しては走るたびに
右や左がわからなくなるのに
急な車線変更は日常で
もう目の前にゴールがあるのに
通行止めの罠が待ち受ける
今日のこの刺すような日差しのように
場違いな空っぽを遮る
何もない僕何もない毎日
でも何もないならなんでも良い
詰められるモノを全て掬えば
小さいけど確実な何かが
見つかるのかもしれない
探し出せるか出さないかは
僕次第
とりあえずまだ時間だけはある
探そう何かを探そう僕を



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