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文字数 405文字


当たり前ってなんだろう
いつも近くにあって
手を伸ばせば届いて
引き寄せられて抱きしめられて
些細な幸せ噛み締められる
当たり前は毎日を作り出す
いつもの場所いつもの時間に
伸ばした手が触れなかった朝
あなたがいつも居たその場所が
空っぽで温もりも消えて
そして思い出す当たり前は
永遠じゃないということに
一人じゃ広すぎる場所ができた
始まりは一人だったのに
いつの間にか二人でいるのが
当たり前になってたから
気がつけばあなたがいつも
居た場所を空けてしまう
あなたが居て成り立つ景色が
少しずつ思い出に変わる
いつかその日が来ることを
思い描けていたなら
こんな煩わしい気持ちに
ならずに済んだのに
あなたが気に入ってた
グラスに全て閉じ込めて
朝が来る前に全て飲み干して
あなたとの当たり前を最後の夢で見よう
そしていつかあなたを忘れ
新しい朝を迎えられるように
でも今だけはまだかすかに残る
あなたと温もりに触れていたい
一人の部屋に残された自分を
受け入れるために


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