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文字数 338文字



揺れて見える街並みは
人の行き来が空気を揺らすから
つまりそこに営みがあり
名も知らぬ誰かがそこにいる事
喜びも悲しみも全部が
邪魔したり邪魔されたりしながら
少しずつ自分の居場所を
見つけながら生きている
1人でも2人でも大勢でもいい
それが僕たちの自由
みんな水のように
時に柔らかく柔軟に
時に自分と周りを守るために強く
時に存在を消して
喧嘩しないで過ごせばいいのに
自分だけと思いがちだからか
それとも
自分にはと思いがちだからか
今日も明日も明後日も
昨日より良くしたい
その一心で
ただ歩いていられるなら
もう少しだけ
優しい世界が待っているはずなのに
みんな何かに急かされて
どこに行こうとしているのだろうか
街を作り終えた後
次はどこへと向かうの
まだ未完成の街の空は
陽炎のようにゆらゆら揺れて見えた
そんな普通の日
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