第75話 映画『ゴジラ-1.0』鑑賞

文字数 1,742文字

 やっとLRTに乗る用事ができました。映画館に行くという用事です。


 11月上旬の平日、有休を使って映画『ゴジラ-1.0』を観に行きました。




 我が家では(といっても私と息子だけ)ゴジラは義務教育です。息子と一緒にわりと観てきました。
なんといってもレジェンドはゴジラ29作目の『シン・ゴジラ』。
ゴジラ映画というか、今まで観た映画の中で一番好き。もう破格、別格、庵野最高、変わり者でも仕方ないと思った。


 それ以前だと24作目『ゴジラ×メガギラスG消滅作戦』、26作目『ゴジラ×メカゴジラ』(どちらも手塚昌明監督)がストーリーがまとまっていてよかった記憶がある。
それ以前の別の監督作品はちょっとね、あんまり。


 28作目『ゴジラFINAL WARS』はね、TOKIO松岡君をカッコよく見せるだけの映画になっちゃった。あとは記念作品的意味合いが強くて、「ファンサービスですよ」ってな具合に怪獣見本市をやっていたような。
舐められたなと思った。
はっきり言うけど『ゴジラFINAL WARS』は「ゴジラ映画ではない」。ゴジラが霞んでいたから。
単なる娯楽映画として「こういうのでいいんだよ」という向きの人はいるかもしれないけど、私は認めない。ぬるい。
(ついでに言うけど、「こういうのでいいんだよ」って、ちょっとなに言っているのかわからない)

 だから次の『シン・ゴジラ』は拍手喝采でした。
庵野監督、ゴジラを取り戻してくれてありがとう。


 ハリウッド版ゴジラに関していえば、もろ恐竜的扱いというか、なんか解釈違うんだよね。
ゴジラは科学と神話の融合体で、もっと畏怖すべきものであって。


 私にとって『シン・ゴジラ』が至高最高峰だったので、「ゴジラマイナスいち? しかも第二次世界大戦末期?」と警戒して観に行ったのですが……
結論から言うと、完璧なゴジラ映画でした


 物語が完璧なんですよ、こういう時代背景でこういう出来事があったからこういう心情でこういう行動をとる、という説得力が強いのなんの。ブレやほころびがない。すべてのキャラもゴジラも立っている。
そう、ゴジラが立っている。あの熱線を吐くときの背びれの動きが、デンジャラスなカウントダウンとなって超盛り上がる。


 個人的には中盤、ボロ船でゴジラに立ち向かうシーン、また観たい。
ド迫力の攻防戦、間一髪逃げ切れたところで、思わず「はあぁぁぁ~」とデカめの溜息ついちゃったよ。
屈折した主人公神木隆之介に、頼れる新生丸艇長の佐々木蔵之介、ほがらかで腰は低いが実は偉い学者の吉岡秀隆、ノリのいい元気な若手乗組員の山田裕貴と、キャラ教科書に出てきそうな安定感。あ、渋い腕利き整備士の青木崇高もいた。


 そしてなによりも、主人公とヒロイン浜辺美波との間に、余計なラブシーンがないのがよかった。子どもの描写も最低限に抑えられていて見やすかったし。
ゴジラにラブシーンや子どもの絡みは不要だと思っていて、そういう冗長シーンが出てくるとやはり「舐められてる」と感じますね。
ヒロインの過去や内面を深掘りしないのも、潔くてすっきりしていた。ヒロイン、自立する女神様でした。


 それから私は、学者や技術屋に萌えるのです。理系の男萌え。
ラストの対ゴジラのシーン、学者の助手三人と、東洋バルーンの技術屋三人が、自分たちの作戦の成果を見届けようと激鬼揺れの船上で堪えているのが、もう、素敵過ぎ……


 ゴジラが上陸して、東京銀座に熱線をぶちまけるシーンは、原爆を想起させてヒヤリとさせられるけど、右にも左にも傾かない絶妙なバランスを保った映画だったような。


 最後にひとこと、海軍マニアの方にはたまらないと思います。


 帯状疱疹のせいで記憶がもう飛んでいますが、ゴジラの造型と超破壊力をたっぷりと堪能でき、王道のストーリー運びに身をゆだねられる映画でした。しつこいけど、無駄なシーン(ロマンスなど)もなくてよかった。
山崎貴監督、ありがとう。


 帰りのLRT。
次世代型路面電車なので、LRTと自動車が近い近い!こう見るとちょっと怖い。

 スーッと来た。乗っているとき揺れません。


 出来たばかりなので、まだきれいな停留所。

 行きは乗車のお作法がよくわからなくてキョロキョロ緊張しましたが、帰りは楽勝。


 お疲れ様でした。



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