第47話 わりと古典が好き(源氏物語)

文字数 656文字

 意外とこう見えて、源氏物語とか好きなんです。

 あの世界、十二単の襲色目(重ね着の配色美)なんか、見ているとうっとりする……こっくりとした中間色とその色の名前なんかも素敵……薄紅(うすべに)珊瑚朱色(さんごしゅいろ)柘榴色(ざくろいろ)花浅葱(はなあさぎ)……日本に生まれてよかったなぁ。
こういうの。これは平凡社出版の『日本の色』



 橋本治訳の『窯変 源氏物語』は途中まで読みましたね。
(どこまで読んだっけ?)
(源氏物語自体、長いから最後までは無理よ……)
 著名人が何人も翻訳しているというのに、なぜ、橋本治訳に手を出したかというと、橋本治が描く男の冷たさ、物語のシビアさ、諦観が好きでしてね。

 好きな作家に訳してもらったら面白そう。
川上弘美さんなら、御簾から風がそよぐような、淡々と明るく、少しさびしい「もののあはれ」かなぁ。
 生霊となる六条御息所なんて、どんな描写をされるのだろう。朧月夜はあっけらかんとするのかな。満点の美しさで愛されキャラだったのに、最後は出家を望みそれが叶えられない紫の上の心情はどんな風に。地味だけど勝ち組、明石の君の賢さはどう見せるの?

 桐野夏生さんも面白そう。
昔読んだ、『グロテスク』(東電OL殺人事件を題材にした作品)、徐々に狂っていくところなんか凄くよかった。
桐野夏生さんの訳なら、情け容赦なく暴き出し晒して、嫉妬やコンプやプライドが曼荼羅を作り出す、万華鏡みたいな作品になるかも。それもいいなぁ!

 通みたいに語っているけど、源氏物語ラスト「宇治十帖」は、漫画『あさきゆめみし』(大和和紀)でしか読んだことありません、あしからず。




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