第14話
文字数 647文字
「ここがバイト先」
カランコロンーー
「いらっしゃいませ。あれ、今日はお揃いで」
「あっ、どうも。彼女がどうしても店長に会いたいというもので」
「それは光栄ですな。健人くんが自慢したいだけにお見受けいたしますが……まぁ、とにかくどうぞ。すぐに朝食セットをお持ちいたしますので」
健人は苦笑しながら、ユリを窓際の明るい席に案内した。
「ほんと、聞いていた通り、雰囲気のあるお店だね」
「いい香りがするだろう?」
「うん、コーヒーのいい香り」
「店長の淹れるコーヒーは日本一美味しいんだよ」
「お待たせいたしました。日本一美味しいコーヒーです」
ユリと店長は顔を見合わせて笑った。
「ごゆっくりどうぞ」
「店長、ありがとうございます」
それから落ち着いた雰囲気のなか、ゆっくりと食事をした。ユリもこの店を気に入ってくれたようだった。
店を出て、そのまま空港へ向かい、ユリはお昼過ぎの飛行機で北海道へ帰っていった。
「健人、今度は健人が北海道に来て。東京の生活に疲れたら、ふ、る、さ、と、だよ。じゃ、またね」
そう言ってユリは笑顔で帰っていった。
会えて良かった。忙しい日程ではあったが、一年分もの元気パワーをもらった気がする。
家に帰ると、ユリの香りが微かに残っていて、一度だけ使ったマグカップが寂しそうに二つ並んでいた。
大学を卒業したら、小学校の教師になるのが夢だとユリは話してくれた。子供好きなユリらしいと思った。
「夢を叶えるまで前進あるのみ」とユリは言っていた。
(よし、俺も前進あるのみ。さぁ、バイトだ、バイト)
カランコロンーー
「いらっしゃいませ。あれ、今日はお揃いで」
「あっ、どうも。彼女がどうしても店長に会いたいというもので」
「それは光栄ですな。健人くんが自慢したいだけにお見受けいたしますが……まぁ、とにかくどうぞ。すぐに朝食セットをお持ちいたしますので」
健人は苦笑しながら、ユリを窓際の明るい席に案内した。
「ほんと、聞いていた通り、雰囲気のあるお店だね」
「いい香りがするだろう?」
「うん、コーヒーのいい香り」
「店長の淹れるコーヒーは日本一美味しいんだよ」
「お待たせいたしました。日本一美味しいコーヒーです」
ユリと店長は顔を見合わせて笑った。
「ごゆっくりどうぞ」
「店長、ありがとうございます」
それから落ち着いた雰囲気のなか、ゆっくりと食事をした。ユリもこの店を気に入ってくれたようだった。
店を出て、そのまま空港へ向かい、ユリはお昼過ぎの飛行機で北海道へ帰っていった。
「健人、今度は健人が北海道に来て。東京の生活に疲れたら、ふ、る、さ、と、だよ。じゃ、またね」
そう言ってユリは笑顔で帰っていった。
会えて良かった。忙しい日程ではあったが、一年分もの元気パワーをもらった気がする。
家に帰ると、ユリの香りが微かに残っていて、一度だけ使ったマグカップが寂しそうに二つ並んでいた。
大学を卒業したら、小学校の教師になるのが夢だとユリは話してくれた。子供好きなユリらしいと思った。
「夢を叶えるまで前進あるのみ」とユリは言っていた。
(よし、俺も前進あるのみ。さぁ、バイトだ、バイト)