第3話

文字数 657文字

 カランコロンというかわいい音が鳴りカウンター席の奥から「いらっしゃいませ」と背の高い男性が出てきた。歳は五十歳くらいだろうか、白髪混じりの優しそうな印象の人だった。

「あの……アルバイト募集の張り紙を見たのですが、まだ募集していますか?」
「あぁ、アルバイト希望の方ですね。こちらへどうぞ」
 健人は店の奥の一番小さなテーブルへ案内された。
「さぁ、どうぞ」
「はい、失礼いたします」
「私どもは、土日できる方を希望しています。その他の日は、土日を含め、週四日くらい働いてくださると助かりますが……まぁ、その辺は相談により決めさせていただきたいと思っておりますが、いかがですか?」
「はい、土日は出られますが、あとは水曜日と平日の夕方からでしたら毎日でも大丈夫なのですが、どうでしょうか?」

 店主は少し笑顔を浮かべコーヒーを僕の前に置き「どうぞ」と勧めながら言った。

「そんなに緊張なさらずに。この店は、お客様にゆったりとした時間を過ごしていただくために開いている店なんです。働く側も硬くならずにいきましょう。当店は朝八時から夜十時まで営業をしております。アルバイトがもう一人おりますので、土日は早番、遅番の交代で来てもらいます。水曜日は定休日なので、その他の日の夕方六時から十時の来られる日ということで、どうでしょうか?時給は千二百円」
「はい、ありがとうございます。その条件でお願いします。えっと……それで、いつから来ればいいでしょうか?」
「では早速、明日からでどうですかな」

 そういうと店主は入り口のドアの張り紙を剥がした。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み