秋のキノコ会議

文字数 515文字

 カレーライスが食べたくなったので、カレー屋さんに行った。

 秋野菜カレーなるものが期間限定メニューらしいのでそれを頼んだ。出てきたのはカレーライスの上に大量のキノコが乗っかったキノコカレーだった。

 僕はキノコが嫌いだ。特に舞茸はすごい。天ぷらにしようが何にしようが舞茸だと脳が認識した瞬間に吐きそうになってしまうのだ。

 人間は感染症の拡大から種を守るために、一旦吐き出したものに対して忌避感、嫌悪感を抱くように遺伝子にインプットされていると聞いたことがあるが、僕にとって舞茸はそれなんだろう。つまり、舞茸関係で、種の保存に対する絶対的な危機を僕の祖先は経験しているということだ。

 僕はキノコを全て皿の端に追いやり、黙々とカレーライスを食べた。残ったものはキノコ。キノコ。キノコ会議。

 何のために秋野菜カレーを頼んだのか。秋野菜という情報からキノコが出でこない時点で僕が愚かだった。

 しかし、カツカレーとかは野蛮すぎるし、カレーライスだと栄養も心配だ。そもそも、カレーライスなんか食べてるのが問題だ、もっとなんかいい感じのものを食べるべきだった。

 今後、いっさいカレーライスなんて食べません。五右衛門パスタに切り替えようと思います。
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