#女装と井手上漠についての試論 ①

文字数 809文字

Twitterで#女装で検索すると女性にしか見えない姿色端麗な男性がたくさんいる。彼ら彼女らは僕と同世代(20代)かもう少し下の世代がその大半を占め、30代以上になると極端にユーザー数が少なくなる。

LGBTQの世界において、女装という言葉にはネガティブなイメージがつきまとう。女装の意味するところは、男性が女性の格好をすることであり、身体的に男性でも、心は女性なんだというトランスジェンダーの世界観と相反するからである。

しかし、冒頭で述べたように、20代や10代の見た目は完全に女性の男性(つまりステレオタイプのオカマではない男性)がLGBTQという言葉を積極的に援用せず、むしろネガティブなイメージのある女装というワードをハッシュタグにする傾向があるのはなぜだろうか。

LGBTQが若年層に認知されてないからだろうか。僕の考えではそうではない。彼ら彼女らはLGBTQ的世界観と自分を照らし合わせたうえで女装というワードで自らを表現している。

では、彼ら彼女らの女装は単なる性癖として片付けていいのだろうか。

ここで、その疑問を解決するヒントとなる人物がいる。井手上漠というモデルだ。同氏は2018年のジュノンボーイコンテストにおいて、可愛すぎるジュノンボーイとして注目を集めた。つまり、同氏のルックスが定型的なイケメンとしてのそれではなく、女性的もしくは中性的であったことが話題になったということだ。

そして、同氏は10代の頃から自らの性自認について悩んでいたということを述懐し、男女による制服の規定に疑問を呈したり、"らしさ"に縛られない考えを積極的にメディアで発信している。

しかし、他方では頑なにLGBTQというワードを発信しない。自分の考えをLGBTQに紐付けしない。それはなぜか。結論としては、身体の性、心の性に加えて、「見た目の性」が関係していると僕は考える。

「見た目の性」については、次回詳しく説明したい。

つづく
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