第19話 お天道様、探偵事務所を開設
文字数 3,903文字
十六夜さんが帰ってから昼食となった。母親がそうした。お嬢様の口にあうのか、わからないために気を使って、そうした。
(そんなの気にしなくてもいいのにね)
「十六夜さんはそんな娘じゃないよ」と教えるべきだったが、「あんた、くわしいわね」と冷やかされるだろう。
(想定の範囲内だよ)
「『太陽』。今日も昼食は素麺でいいよね」
「うん。ありがとう」
ツルツルと、のどを通る。ワサビが鼻をツーンとする。夏の定番食だ。麺類が好きなのでありがたい。でも後、何日かすれば、九月となる。いつまでも素麺という訳にもいかないだろう。外は、まだまだ暑い。蝉のコーラス隊は相変わらず健在だ。七年も土の中にいたと言うのにその夏で一生を終える。たとえ、うるさい音でもガマンをしてやらなくてはいけない。
「朝から楽しそうだったわね。カップルのように見えたわよ。あんた達のせいで、また暑くなったんじゃないの?」
「そ、そんなことある訳がないだろう」
「ところで、十六夜さんもオセロニアの世界へ行ったことがあるの?」
「うん、そうだよ」
「それで仲がいいのね」
「そうかな? よく分からないよ」
とぼけることにした。私は十六夜さんのことが好きだけど、彼女はどう思っているのかは分からない。連絡先は交換したが、ただの友達と思ってのことだろう。だから、ただの友達の一人として接していこうと決めた。
(たぶん、これでいいんだ)
彼女はお嬢様。私は一市民の貧乏人。身分が違う。見ている景色も立場が違えば、同じ物とならない。秘めた恋心なんて、そのようなものだろう。
就寝しようと布団の中に入る。人影が現れた。
「起きているか?」
「どうした?」
「少し話をしよう。いいか?」
「いいよ」
私は椅子にすわり、オ○ロと向き合った。
「お前はこの姿を見ても怖がらないんだな」
「まあね。オセロニア世界を冒険したから、少しは成長したんだろうね」
「そうか。あの世界は気が休まる時が、無かったからな」
「そうだね。いつも守ってくれていたんだろう。なんとなく気がついていたよ。ありがとう」
「あぁ、勝手にしていたことだ。気にしなくていい」
「うん。そういえば、今日は少し気になる話があったよ」
「ほう。聞かせてほしい」
「君の奥さん、デスデーモナのことなんだ」
「なんだと・・・。彼女はこの世界にいるのか?」
「おそらくね」
「確信ではないのか?」
「今の情報では何とも言えないよ。デズデモナを覚えているかい?」
「あぁ、覚えているよ。ピンクマスクだろう」
「そう。その白猫が君の奥さんかもしれないんだ。君がこの世界にいるのだから、奥さんがいても不思議じゃないだろう」
「そうなのか? 彼女には何の罪もないんだぞ。人間に転生をするだろう。そう思わないか?」
「普通ならそうだろうね。でもね、こうは考えられないかな。奥さんは君のことを愛していたんだろう。いつかめぐり合うために転生を繰り返しているとしたらどうだろう」
「俺は、その愛する妻をこの手にかけてしまったのだぞ。彼女は俺を恨んでいるだろう。それに俺はひきょうな罠にかかってしまった情けない人間だ。愛する妻を信用することができなかった。今だから言えるが、どうかしていたんだ。妻のことを信じていれば、よかったのだ。お前は結婚したら、そうなるなよ」
「うん。そうするよ」
話を終わらせて、寝ようとした。その時、携帯電話がなった。
「富士見君、夜分にごめんなさい。もう寝ていたわよね。起こしてしまったのでしょう」
「大丈夫だよ。オ○ロと話していたからね」
「そう。やっぱりそうなのね。よかった。デズデモナも特異点なのかしら、今夜もしゃべったの。今はもう寝ているけど富士見君のいった通り、あの話の奥さんみたいなの」
(やっぱり)
「くわしい話が聞きたいから明日、会えないかな?」
「明日は朝からテニスサークルがあるから、昼からなら、いいわよ。食事をしながら話をするのはどうかしら」
「うん、いいよ。キャンバスのベンチで待っているからね。テニスが終わったら声をかけてよ。のんびりと本を読んでいるからね」
「えぇ、分かったわ。それではおやすみなさい」
「おやすみなさい」
通話の切れた携帯電話を眺めていた。
(ヤバイ)
またドキドキしてきた。寝れそうにない。脳ミソの大半が十六夜さんのことを占めていた。
次の朝、私は飼い猫のオテロに言った。
「十六夜さんから情報を手にいれてくるから、今日は早めに帰ってくるんだぞ」
ニャーンと鳴いた。
(理解をしたと思っていいよな)
朝ごはんを食べて、カッシオと一緒に飛び出していった。妻がこの世界にいる。しかもあのピンクマスクだと分かったから、気分がよかったのかも知れない。
(ゴメン。本当は会わせてあげたいんだ。けど・・・)
デズデモナは十六夜さんの部屋にいる。なんとか連れ出す方法を考えた。それには先ずは私が彼女と仲良くならないといけない。恋愛を知らない私には過酷なミッションだ。オ○ロのことを考えると失敗は許されない。彼女と仲良くなって、オ○ロとデスデーモナの再会をさせることが第一段階。その後、仲裁して夫婦の仲を取り持つことが目標だ。
今日はその第一歩。ゆっくりと歩を進めていこう。自分に言い聞かせた。でも、十六夜さんを目の前にすれば、舞い上がってしまうだろう。
(先ずはそこからだな)
自信はまったくない。大学一の美人相手に冷静でいれる男なんているのだろうか? もしいるならば、アドバイスをください。
待ち合わせに間に合うよう、家を出ようとすると後一時間ほど。メフィストフェレスの古本屋から引きあげてきた本の中を探した。
(何か参考になる物はないかな)
本を散らかしただけだった。そんなに都合のよい話はない。
(仕方がない。出たとこ勝負)
服を着替え、一冊の本をカバンの中に入れた。
「母さん、今日の昼ごはんは、いらないからね。外で食べてくるよ」
「どうしたの? この暑いときにジャケットなんか着てさ。デートかい?」
「そ、そんなんじゃないよ。いってきまーす」
キャンバスに到着。十六夜さんはサークル仲間とテニスをしていた。相変わらず、フェンス越しに男が群がっていた。十六夜さんのファンクラブ。
(この暑いときにご苦労様)
大きな木の下にあるベンチ。そこに座って、本を読むことにした。オペラの本。題名はオ○ロ。ボードゲームのオ○ロはシェイクスピアのこの話が名前の元となっている。心の様子が白と黒で揺れ動くところから、名づけられた。
今回はもう一度読んで、あの夫婦のことを理解したい。なぜ愛する二人が最後に亡くなるのかを確認したかった。
物語はこんな感じ。
― 十五世紀のヴェネツィア国、キプロス島。
嵐の中、トルコとの海戦。将軍オ○ロは部下達と一緒に海戦を勝利に導いた。寄港すると歓喜で祝福される。その中に、お嬢様のデスデーモナがいた。厚口唇の黒人将軍はそのお嬢様に一目惚れ。白人で美人のお嬢様は敵国に勝利した英雄に憧れた。やがて二人は恋に落ち、結婚。これを喜ばない男がいた。オ○ロの部下、旗手のイヤーゴ。この男はデスデーモナのことが好きで、我が物にしたいと考えていた。あの厚口唇さえいなければ、彼女は俺に振り向くハズだと・・・。
悪人のイヤーゴは罠を仕掛けた。副官カッシオを酔わせ、酒宴を台無しにさせた。激怒するオ○ロ。カッシオを罷免する。失意のカッシオにイヤーゴは将軍の妻、デスデーモナに頼んで取り持ってもらい、復職を願いでてはどうかとささやく。イヤーゴは将軍にデスデーモナとカッシオが不倫をしていると告げ口をする。間が悪く、カッシオが妻と話をしている現場を目撃。最初は妻を信用していたが、疑心暗鬼となってしまう。愛する妻が他の男と密会しているなんて・・・。顔から汗が大量に流れる。妻がハンカチーフで拭くが、払いのけた。落ちるハンカチーフ。その場を去った夫を追いかける妻。ハンカチーフを拾い、ポケットにしまうイヤーゴ。寝ているカッシオの部屋にそれをソーッと投げ入れた。次の朝、起きたカッシオは見知らぬハンカチーフが落ちているのに気がつく。訳が分からないままポケットにしまう。なぜだか、運が悪く将軍の前でそれを使ってしまう。妻の不倫を確信したオセロ。妻の言うことが耳に入らない。妻はそのことを侍女のエミリアに相談する。侍女は夫のイヤーゴを疑い、問い詰めるが、逆に暴力を受ける。オ○ロの相談にイヤーゴは不倫の代償はベッドの上で晴らせと闇へ誘う。ある夜、オ○ロはそれを実行し、妻を絞殺。侍女は、すべてイヤーゴの仕業であることを将軍に告げる。時すでに遅し。すべてを知ったオ○ロは妻の棺の上で自害する。
オペラ劇だから、お涙ちょうだいの最期でいいと思うが、この話が人生の物語ならば、悲劇で終わらせてはいけない。私はハッピーエンドをオ○ロ夫婦に用意をしてあげたい。すべての悪はイヤーゴという存在。この世界にオ○ロもデスデーモナがいるのだからイヤーゴもいるだろう。まずはイヤーゴの情報を集め、探し出すこと。お天道様探偵事務所を開設だ。メンバーは所長の私、飼い猫のオテロ、カッシオ。おそらくイヤーゴは猫に転生をしている。二匹には捜索を頼むつもりだ。考え込んで、私は十六夜さんのことを忘れていた。
(そんなの気にしなくてもいいのにね)
「十六夜さんはそんな娘じゃないよ」と教えるべきだったが、「あんた、くわしいわね」と冷やかされるだろう。
(想定の範囲内だよ)
「『太陽』。今日も昼食は素麺でいいよね」
「うん。ありがとう」
ツルツルと、のどを通る。ワサビが鼻をツーンとする。夏の定番食だ。麺類が好きなのでありがたい。でも後、何日かすれば、九月となる。いつまでも素麺という訳にもいかないだろう。外は、まだまだ暑い。蝉のコーラス隊は相変わらず健在だ。七年も土の中にいたと言うのにその夏で一生を終える。たとえ、うるさい音でもガマンをしてやらなくてはいけない。
「朝から楽しそうだったわね。カップルのように見えたわよ。あんた達のせいで、また暑くなったんじゃないの?」
「そ、そんなことある訳がないだろう」
「ところで、十六夜さんもオセロニアの世界へ行ったことがあるの?」
「うん、そうだよ」
「それで仲がいいのね」
「そうかな? よく分からないよ」
とぼけることにした。私は十六夜さんのことが好きだけど、彼女はどう思っているのかは分からない。連絡先は交換したが、ただの友達と思ってのことだろう。だから、ただの友達の一人として接していこうと決めた。
(たぶん、これでいいんだ)
彼女はお嬢様。私は一市民の貧乏人。身分が違う。見ている景色も立場が違えば、同じ物とならない。秘めた恋心なんて、そのようなものだろう。
就寝しようと布団の中に入る。人影が現れた。
「起きているか?」
「どうした?」
「少し話をしよう。いいか?」
「いいよ」
私は椅子にすわり、オ○ロと向き合った。
「お前はこの姿を見ても怖がらないんだな」
「まあね。オセロニア世界を冒険したから、少しは成長したんだろうね」
「そうか。あの世界は気が休まる時が、無かったからな」
「そうだね。いつも守ってくれていたんだろう。なんとなく気がついていたよ。ありがとう」
「あぁ、勝手にしていたことだ。気にしなくていい」
「うん。そういえば、今日は少し気になる話があったよ」
「ほう。聞かせてほしい」
「君の奥さん、デスデーモナのことなんだ」
「なんだと・・・。彼女はこの世界にいるのか?」
「おそらくね」
「確信ではないのか?」
「今の情報では何とも言えないよ。デズデモナを覚えているかい?」
「あぁ、覚えているよ。ピンクマスクだろう」
「そう。その白猫が君の奥さんかもしれないんだ。君がこの世界にいるのだから、奥さんがいても不思議じゃないだろう」
「そうなのか? 彼女には何の罪もないんだぞ。人間に転生をするだろう。そう思わないか?」
「普通ならそうだろうね。でもね、こうは考えられないかな。奥さんは君のことを愛していたんだろう。いつかめぐり合うために転生を繰り返しているとしたらどうだろう」
「俺は、その愛する妻をこの手にかけてしまったのだぞ。彼女は俺を恨んでいるだろう。それに俺はひきょうな罠にかかってしまった情けない人間だ。愛する妻を信用することができなかった。今だから言えるが、どうかしていたんだ。妻のことを信じていれば、よかったのだ。お前は結婚したら、そうなるなよ」
「うん。そうするよ」
話を終わらせて、寝ようとした。その時、携帯電話がなった。
「富士見君、夜分にごめんなさい。もう寝ていたわよね。起こしてしまったのでしょう」
「大丈夫だよ。オ○ロと話していたからね」
「そう。やっぱりそうなのね。よかった。デズデモナも特異点なのかしら、今夜もしゃべったの。今はもう寝ているけど富士見君のいった通り、あの話の奥さんみたいなの」
(やっぱり)
「くわしい話が聞きたいから明日、会えないかな?」
「明日は朝からテニスサークルがあるから、昼からなら、いいわよ。食事をしながら話をするのはどうかしら」
「うん、いいよ。キャンバスのベンチで待っているからね。テニスが終わったら声をかけてよ。のんびりと本を読んでいるからね」
「えぇ、分かったわ。それではおやすみなさい」
「おやすみなさい」
通話の切れた携帯電話を眺めていた。
(ヤバイ)
またドキドキしてきた。寝れそうにない。脳ミソの大半が十六夜さんのことを占めていた。
次の朝、私は飼い猫のオテロに言った。
「十六夜さんから情報を手にいれてくるから、今日は早めに帰ってくるんだぞ」
ニャーンと鳴いた。
(理解をしたと思っていいよな)
朝ごはんを食べて、カッシオと一緒に飛び出していった。妻がこの世界にいる。しかもあのピンクマスクだと分かったから、気分がよかったのかも知れない。
(ゴメン。本当は会わせてあげたいんだ。けど・・・)
デズデモナは十六夜さんの部屋にいる。なんとか連れ出す方法を考えた。それには先ずは私が彼女と仲良くならないといけない。恋愛を知らない私には過酷なミッションだ。オ○ロのことを考えると失敗は許されない。彼女と仲良くなって、オ○ロとデスデーモナの再会をさせることが第一段階。その後、仲裁して夫婦の仲を取り持つことが目標だ。
今日はその第一歩。ゆっくりと歩を進めていこう。自分に言い聞かせた。でも、十六夜さんを目の前にすれば、舞い上がってしまうだろう。
(先ずはそこからだな)
自信はまったくない。大学一の美人相手に冷静でいれる男なんているのだろうか? もしいるならば、アドバイスをください。
待ち合わせに間に合うよう、家を出ようとすると後一時間ほど。メフィストフェレスの古本屋から引きあげてきた本の中を探した。
(何か参考になる物はないかな)
本を散らかしただけだった。そんなに都合のよい話はない。
(仕方がない。出たとこ勝負)
服を着替え、一冊の本をカバンの中に入れた。
「母さん、今日の昼ごはんは、いらないからね。外で食べてくるよ」
「どうしたの? この暑いときにジャケットなんか着てさ。デートかい?」
「そ、そんなんじゃないよ。いってきまーす」
キャンバスに到着。十六夜さんはサークル仲間とテニスをしていた。相変わらず、フェンス越しに男が群がっていた。十六夜さんのファンクラブ。
(この暑いときにご苦労様)
大きな木の下にあるベンチ。そこに座って、本を読むことにした。オペラの本。題名はオ○ロ。ボードゲームのオ○ロはシェイクスピアのこの話が名前の元となっている。心の様子が白と黒で揺れ動くところから、名づけられた。
今回はもう一度読んで、あの夫婦のことを理解したい。なぜ愛する二人が最後に亡くなるのかを確認したかった。
物語はこんな感じ。
― 十五世紀のヴェネツィア国、キプロス島。
嵐の中、トルコとの海戦。将軍オ○ロは部下達と一緒に海戦を勝利に導いた。寄港すると歓喜で祝福される。その中に、お嬢様のデスデーモナがいた。厚口唇の黒人将軍はそのお嬢様に一目惚れ。白人で美人のお嬢様は敵国に勝利した英雄に憧れた。やがて二人は恋に落ち、結婚。これを喜ばない男がいた。オ○ロの部下、旗手のイヤーゴ。この男はデスデーモナのことが好きで、我が物にしたいと考えていた。あの厚口唇さえいなければ、彼女は俺に振り向くハズだと・・・。
悪人のイヤーゴは罠を仕掛けた。副官カッシオを酔わせ、酒宴を台無しにさせた。激怒するオ○ロ。カッシオを罷免する。失意のカッシオにイヤーゴは将軍の妻、デスデーモナに頼んで取り持ってもらい、復職を願いでてはどうかとささやく。イヤーゴは将軍にデスデーモナとカッシオが不倫をしていると告げ口をする。間が悪く、カッシオが妻と話をしている現場を目撃。最初は妻を信用していたが、疑心暗鬼となってしまう。愛する妻が他の男と密会しているなんて・・・。顔から汗が大量に流れる。妻がハンカチーフで拭くが、払いのけた。落ちるハンカチーフ。その場を去った夫を追いかける妻。ハンカチーフを拾い、ポケットにしまうイヤーゴ。寝ているカッシオの部屋にそれをソーッと投げ入れた。次の朝、起きたカッシオは見知らぬハンカチーフが落ちているのに気がつく。訳が分からないままポケットにしまう。なぜだか、運が悪く将軍の前でそれを使ってしまう。妻の不倫を確信したオセロ。妻の言うことが耳に入らない。妻はそのことを侍女のエミリアに相談する。侍女は夫のイヤーゴを疑い、問い詰めるが、逆に暴力を受ける。オ○ロの相談にイヤーゴは不倫の代償はベッドの上で晴らせと闇へ誘う。ある夜、オ○ロはそれを実行し、妻を絞殺。侍女は、すべてイヤーゴの仕業であることを将軍に告げる。時すでに遅し。すべてを知ったオ○ロは妻の棺の上で自害する。
オペラ劇だから、お涙ちょうだいの最期でいいと思うが、この話が人生の物語ならば、悲劇で終わらせてはいけない。私はハッピーエンドをオ○ロ夫婦に用意をしてあげたい。すべての悪はイヤーゴという存在。この世界にオ○ロもデスデーモナがいるのだからイヤーゴもいるだろう。まずはイヤーゴの情報を集め、探し出すこと。お天道様探偵事務所を開設だ。メンバーは所長の私、飼い猫のオテロ、カッシオ。おそらくイヤーゴは猫に転生をしている。二匹には捜索を頼むつもりだ。考え込んで、私は十六夜さんのことを忘れていた。