誘惑 ※
文字数 579文字
「無理するなよ。俺が欲しくてたまらないくせに」
彼は俺を後ろから抱きしめて、耳元で囁いた。
熱い吐息と低く掠れた声に体の奥を刺激されて、痺れたように動けなくなった。
「……っ……やめろ! 俺はもうお前とは縁を切ったんだ!」
やっとのことでそう言った俺の顔を、今度は前から意地悪そうに覗きこんでくる。
吸い込まれそうな深い瞳。滑らかな琥珀色の肌。
その優美な姿には、誰だって逆らえない魅力が溢れている。
「お前が俺無しでいられるわけないだろ? そういう体にしてやったんだから」
彼は端整な顔を、唇が触れ合うぎりぎりのところまで近づけて、なおも囁き続ける。
「いつもみたいに俺に全部委ねて気持ちよくなってればいいんだよ。優しくしてやるから」
俺はとうとう抗えなくなって、彼の唇に触れるようなキスをした。
それだけで、全身が甘い喜びに貫かれる。
彼は俺の唇を開かせて舌を奪い、熱っぽく、激しく、口中を犯した。そして俺の体をくまなく愛撫して快感を与えながら、ゆっくりと体内に押し入ってきた。「ああっ……」身も心も彼で満たされて、俺は歓喜にうちふるえた。
気がつくと、俺は一人でベッドに横たわっていた。いつの間にか気を失ってしまったらしい。
だるい体を起こして、朦朧とした意識で部屋を見回す。
「また誘惑に負けてしまった……」
床に転がったウィスキーの空き瓶を見つめながら、自己嫌悪の呻きをもらした。
彼は俺を後ろから抱きしめて、耳元で囁いた。
熱い吐息と低く掠れた声に体の奥を刺激されて、痺れたように動けなくなった。
「……っ……やめろ! 俺はもうお前とは縁を切ったんだ!」
やっとのことでそう言った俺の顔を、今度は前から意地悪そうに覗きこんでくる。
吸い込まれそうな深い瞳。滑らかな琥珀色の肌。
その優美な姿には、誰だって逆らえない魅力が溢れている。
「お前が俺無しでいられるわけないだろ? そういう体にしてやったんだから」
彼は端整な顔を、唇が触れ合うぎりぎりのところまで近づけて、なおも囁き続ける。
「いつもみたいに俺に全部委ねて気持ちよくなってればいいんだよ。優しくしてやるから」
俺はとうとう抗えなくなって、彼の唇に触れるようなキスをした。
それだけで、全身が甘い喜びに貫かれる。
彼は俺の唇を開かせて舌を奪い、熱っぽく、激しく、口中を犯した。そして俺の体をくまなく愛撫して快感を与えながら、ゆっくりと体内に押し入ってきた。「ああっ……」身も心も彼で満たされて、俺は歓喜にうちふるえた。
気がつくと、俺は一人でベッドに横たわっていた。いつの間にか気を失ってしまったらしい。
だるい体を起こして、朦朧とした意識で部屋を見回す。
「また誘惑に負けてしまった……」
床に転がったウィスキーの空き瓶を見つめながら、自己嫌悪の呻きをもらした。
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