第11話 ドラキュラ × 天使の神殿? 2

文字数 8,182文字

こんちゃーす語り部だ。前回アリリが、

「オレ、ウタ、ウタウ、ンダ」

と言ってた。一体どんな歌なのだろうか? まあ止まる気配はない。諦めて聞いてみる事にしようか。

「ててててっててーてーてれれってーてー♪てれてってってってーてーてーてーてーてーてーてー×2♪弱そうにぃ生きてゆーくよりもぉーてってってってってー♪てってってっデーデー♪本当にぃ弱くなああるためにーてってってってっててーてってってっデーデー↑現実は何なのかー? デロリーン 真実はど、こーなーのーかー? 悩む程、遠ざかるぅううぅでれれれあーかーいーほぉーしーーーーー★でけでーでけでーでけでーでけでー♪wwあーくーまーのよーうなーデロリーン♪てーんーしーのーえーがおーデロリーンこーーのーむーらにぃー溢れてぇええええええーいるよぉおおお? でででー! でででー! でででー! でででー! ♪くーじーけーそーうでもぉおおテレレーン♪まァーよぉーいーそーうでもおおーテレレーン♪見ぃーつぅけー出すぅーハッ( ゚д゚ )! 必ずうううぅーてってってってってっーε≡≡┏( ^O^)┛てってってってーてー┗( ^O^)┓≡≡з♪ほおーんとうのぉー、ハッ( ゚д゚ )! こーこーろをぉおおおぉおおおお!」
おお! こんなにも長い歌詞を、歌詞カードも一切見ずに歌い切りおったぞ! 何たる記憶力……! まあ考えて見れば歌は学校の勉強の様に嫌々暗記する記憶とは違い、曲などと関連付け自然と入って来るし、好きな曲なら何度聞いても飽きない為、比較的覚えやすいとは思えるから無理ではないな。だが、アリリはほぼ考える事無くスッと出てくるところが恐ろしいのだ……彼女は今お化け屋敷鑑定士。歌は得意な職業ではない。それなのにまるで一流の歌手の様に声量もあり、曲も流れていない中で歌い上げたと言うところも恐ろしいんだ……ブル

「NO! も、もう止めて下さい! それ以上はいけません!」

「はあー……疲れたけどいい気分だわwって……もう歌い終えたけど? 止めるのが少し遅かったわねwwはぁー気持ちよかったわw」
くどいようだがアリリは歌が好きなのだ。見た物に関連する歌を脳内から引きずり出す技術が卓越している。
そしてその趣味が高じて、彼女は時間にして1分30秒程のドラマのオープニングテーマを伴奏部分を含んで文字のみで表現してしまった。
それは本来、映像は勿論。曲や旋律、そして何より歌声なくしては感じられない物だ。
故に小説ではタブー。それはただ歌詞を文字に起こして表記しただけの意味の無い事であり、更に言えばあるまじき行為である。だが、この反面、膨大な文字量を稼げたのは揺るぎ無き事実。2話でも軽く語っているが、

【文字量が多い小説は良い小説】

と言う事は300年前に既にカリフォルニア大学の論文でも明らかになっており、文字数が多ければ多い程に素晴らしい小説と言えるのだ。これは恐らく筆者の文字を書いたりキーボードで打ち込まれたりした文字一文字一文字には大した力はない。だが、それでも一文字一文字にそれぞれ微小ながら魂が籠っているのだ。だが、

【ああああああああ】

勿論こんな書き方では魂の欠片すら宿らない。が、物語を形作ろうと頭で考えて綴られた文字は別。確実に存在する。それが集まれば集まる程に強さを増していくと言う事になるのだ! 塵も積もれば塵の山と言うことわざもあろう! そして、考えて欲しい。小説とは文字で作られている。だからこそ、それが多ければ多い程に偉大な小説になる訳だ。
内容? 内容か? 内容が無いようなら駄目なんだ! と激昂も出来ようが、内容などは後からついて来る筈だ。
そう、その膨大な文字数を読んでいる内に、

「何でこんなに不必要に文字だけは多い小説なんだあ? あはは あははw」

と、言う感じで、読んでいる内にいつしか意味も無く笑いがこみ上げてくる。そこには内容は必要ないな? 物量で押し切れば良い。その人物が例えどんなに心に病を抱え込んでいる人物としても通用する手法だ。その有り得ない文字量に、自分の抱えている悩みがいかに小さいか。下らないかと錯覚させて前向きな性格に改善させてしまう効果があるのかもしれないな。このように良い小説は人を助ける力もある。だから歌を文字のみで表現する事自体はマイナスだとしても、結局のところプラスマイナス0と言う事になる。
だが、ここで認識してほしいのは、物理的に稼げた文字数は裏切らないと言う事。本来空白で寂しかったキャンバスに、あれだけの膨大な量を顔文字を交えつつ表現し切った事は、計り知れない偉業であり、アリリのこの行為は確実にこの小説にプラスになっている事なのである。
キャラクターのバリエーション、その人達の言葉巧みな表現、心理内の繊細な描写、地の文の精密さ、舞台の緻密な設定……etc。小説にはそんなややこしくて考えるだけでも頭が痛くなるような要素が必要じゃないか? それ無しでは小説じゃないんだ! と仰る方もいるだろう。
だが私はそうは思わない。それらの表現を練達、研鑽するのではなく、読み手の苦労など一切考慮せず、一番始めに語ろうと思った言葉をそのまま語るのではなく、その言葉をどのように引き延ばせればこれより一文字でも文字数が多くなるか? を考える。そう、面倒臭い表現を力の限り追加し、蛇足に蛇足を重ね、

百足蛇(むかでへび)

にしてしまう位に余計な部分を意図的に増やす事が出来るか? を必死で

【頑張れば】

現時点で最高まで稼げるか? を見つけ出せるのだ。それのみに一点集中し、脳を絞り出しながら語り、出来るだけ多くの文字数(なかま)を増やす工夫をする。そして苦労の末、稼げた。友達100人以上出来た! そこで右手を高く上げガッツポーズを取りたいところだが、それをグウっと堪える。ノーガッツポーズを維持し、本来ガッツポーズで消費されたであろう時間を、更に稼げそうな部分を探る。そうすれば更に稼げる! そして何度も繰り返し精査。そして、もう稼げないと判断したら、次の言葉を考える。小説とはこの繰り返しなのだ。それを終えたら次に答え合わせの時間。上にスクロールする事で、今まで実際に語った文字の多さを目視確認し、その時仮に誤字脱字を発見しても気にせずにスルー。語った文字数の多さのみに驚愕と同時に歓喜し、肌で実感する。その瞬間この小説にこんなにも貢献出来た! と言う事実に悦に浸り、そこで思い出したかのように控えていたガッツポーズをして完了。こんな事が出来るのは小説、それも語り部サイドのみ。だからこそ、小説は、楽しい、のだ。
現時点で何を言っているのか分からなければそれでも良い。この理論に明確な解は無い。そして、この

【ヒント】

で、この域に到達出来る方が一人でも多く誕生する事を祈ろう。だが余程この事実に到達出来る達人は少ない筈。まあ長々と語ってみた物の、これは人それぞれの感じ方、受け取り方一つで決定されてしまう程に曖昧な物なのだ。故に気付けないとて問題ない。だが、その狭き門を潜り抜けてこちら側に来て下さった方は稼文字(かせもんじ)同盟の盟友とし、歓迎する。

「あちゃー。どうやら止めるのが一つ遅かったようですね……でもこの一つ抜けた所が私の欠点でもありいいところでもあるんだ」

「これね、確か1996年に出てたドラマだからねえ一。私も再放送で見たのが初見だったし……だから歌詞を覚えてる人も少ないもんねwどこで終わるかなんて覚えてないよねw」

「な? なる! だから全く分からなかったんですね。それに確かその時私、従者やってましたから」
ぬ? 従者ぁ?

「え? なにそれ」

怒虎従者(ぬこじゅうしゃ)です」

「知らなーい」

「ええとですね……招かれたんです。そう、毛むくじゃらの猫の姿をした巨大な化け物に」

「ええ? 何で? 招かれたら必ずついていく必要があるの?」

「分かりません……20数年前でしたか? いつも通りスクーターで出勤していた時に、巨大な猫の様な化け物が私達を招いていました。
で、暫くぼうっとその動きを見ていたら、急に体の言う事が聞かなくて……いつしかブレーキを握り停止して招かれるがままに……私が人間的に一つ足りなかっただけなのかも知れませんが……そして、そのお方の屋敷で奴隷のような暮らしをしていました」

「大変だったのねえ……え? お方? 拉致ってきた張本人を尊敬してる感じがするけどぉ?」

「おうよ。従うに相応しい高貴で優しい方々でして……それにそんなに厳しい重労働は無かったですし」

「へえ、でもいつ逃げられるか分からなくて不安じゃなかった?」

「ううん……それが当時私も若く、向上心もあったので、折角なってしまったからにはその従者の中でも一番になろうって頑張っていたんですよ……それに……」

「それに?」

「あのお方の傍にいると不思議な力が湧いてくるんですよ」

「へえ。どんな?」

「不思議な力です。具体的には分かりません。ですが、体力的な力ではなくって、今までは全く感じられなかった新しい力ですね。怒虎様に会ってしばらくしてから急に目覚めたような気がします」

「詳しくは分からないって事ね」

「おうよ!」

「で、今はここにいるよね? と言う事は逃げる事が出来たんでしょ? どうやって逃げたの?」

「それが……急に居なくなってしまって……やっとお世話にも慣れて来て、トップに立てると思った矢先にです。何故か涙が止まりませんでした」

「肩透かし食らっちゃったんだ。でも、自由になれたんでしょ?」

「で、その瞬間心にポカーンと穴が開いた気分になってしまいまして」

「そうなんだね。じゃあ知らなくてもしょうがないね」

「そうですね。でも、結構心に響く曲で、私も歌いたくなりましたが、突然歌うのは控えて下さいよ」

「チッ……まあいいわ。じゃあお仕事に戻るね♪」
まーた愛の籠った投げキッスをしちゃってる……サービス精神旺盛だなあ……それを行いつつ仕事を再開するアリリ。

「わーお! これはトラクエ9で今までのナンバリングは全部人間だったのに、突然天使に転身した主人公じゃない? こいつってキャラをカスタマイズ出来るから男女どちらの可能性もあり、顔も毎回違う。故に特定するのがホントに難しいのよ。でも、犯人は重大なミスを犯したわ!w!」
「何だと? それは私が設置した自信作ドフ。そんなミスがあるとは気付かなかったドフ。一体何ドフ? 聞かせて欲しいドフ」

「そのミス。要するに犯人の一つ足りなかった所とは何でしょう?」

「よくぞ聞いてくれたわwそれはね? その天使の隣に、ガングロ妖精のヨンディを配置してしまったって事なんだよォ!!」
ビシイイ!
何故か左手人差し指を市田に向ける。

「何と言う事ドフ……それがあったかドフ……」

「ま? そんな事だけで?」
 
「いいえ? これは重要な事なのよ? あいつは9のマスコットキャラ。そのゲームの脚本家の堀井雄一が、新キャラが思いつかなくて、ふと寄ったキャバクラで出会った女の子をモチーフとして生み出されたキャラクターよ? 主な役割は、主人公をナビゲートしたり、話し相手になってくれたり、新作のRPGを楽しむぞーと意気込んだ初見プレイヤー達にお構いなしにギャル用語を連呼し、ファンタジーの世界から秒で現実に引き戻してくれる役割を持っているわ。そう、いつも主人公の傍に居る。これを私の鋭い双眸は見逃さなかったわ! このミスのお陰で何とか分かったわwwww全く……恐ろしい程に巧妙に隠された天使要素……私じゃなきゃ見逃しちゃっていたねwwww」

「こんな事に気付けるなんて……君は一体何者ドフ?」

「フッwどこにでもいるただの小5の女子よw他には……あいつは酔っぱらった人を見かけると、運転代行してくれる

【私が運天使ますよ】

だ! すごーいwみんなお酒を飲んで気持ちよくなっているのに、お酒は飯よりも大好きなのに、年に一度の忘年会なのに、自分だけ我慢して酒を飲まずに家まで送り届けてくれる事に特化した天使の中でも最高に優しい天使ねw後は……あれ? 人間がいるね……あっナース帽子ってことは……あれはクリミアの天使ナイチンゲールか! で奥には水槽がある! ま、まさか……中には……やっぱりいたぁ♡クリオネじゃんw流氷の天使よねwでも……なんか違う気が……いや天使の間なんだから間違いないよねwwwwで、あれは? 毒殺天使のホクロちゃんとその親父じゃない? って事は……これね! コホン」
お? この咳払いは……来るぞ!

「♪どーくーさーつてんしー猛毒どくどくホクロちゃん♪どーくーさーつてんしー瞳孔ピクピクホクロちゃん♪テットロドトキシンサリン♪青酸カリーニコチン♪でもそれってー僕のためなのー♪」

「今ここでか……」

「ついうっかり……だってもう条件反射なんだもん♡今のホクロちゃんについても早急に説明しないと!」

「別にアリリちゃんにそんな義務はないですよお。止めて下さい」

「遠慮するなってwwwwあんたは変なところ謙虚だなあwwwwwここは聞いた方が絶対に歌詞の意味を深く理解出来てとってもうれしーから聞いておけ!」 

「NO!」

「あの子はね? 顔中にホクロがあって、それが由来でホクロちゃんて言うのよねwでもその子、本名はホクロディル・ジャステリアって言うのよ! でね? 生まれつきそんな顔じゃなかったのよ」

「な? それで?」

「あれ? そんな事で食いついてる? 何かムカつくなあ。そういえばさっきNOって言っていたし、ここで話すの止めようか?」

「NO!」

「おいw聞きたくなってるじゃんwwww手のひら返すの早いよw仕方ない……じゃあ続き行くねwでその子の親父が悪い天使で、いい事ばかりする良い子なホクロちゃんに、良い事をする度にホクロを追加したみたいなの。顔にねw」

「ま? そんな悪い天使を飾っているのかい? ドラキュフ君!」

「全く知らないで飾っていたドフ。天使を検索していた時に結構上の方に出てきた天使だったものでつい……親子仲睦まじいさわやかな感じがしたため、てっきり良い天使だと思い込んでしっかりと調べなかったドフ……本当に申し訳ないドフ」

「いい加減に調べてはダメじゃないか! この間に相応しい天使かしっかりと判断した上で設置して欲しいなあ」

「気を付けるドフ……」

「それにドラキュフ君? ドラキュフ君と呼びかけた場合は語尾が変わるって話をしたでしょ? 覚えているかい? 今はドフじゃなくてュフなんだよおだからュフで頼むよ?」

「ああっ! しまったュフ! 申し訳ないュフ」
なんすかこれ?

「良し」

「何でそんな事に拘るのよ」

「封通ですよお。しかし……なんて悪い天使だ」

「でね? 人間を一人毒殺してそれを親父に報告する度にホクロを一つ取って貰えるシステムなんだよねwで、彼女はそれを受け入れた」

「な、なんてこった……」

「うん。人の命よりも自分のホクロを取る事を優先した訳ねwまさに鬼畜の所業……まあ天使とは言え、年頃の女の子が顔中ホクロだらけで嫌ってのは分かるけどさ……確か合計108個あって、自分のホクロを全て取る為に108人の命を毒殺だけで完了させようとしているのよね? でも最後のターゲットのゾディアーク家のキノレアって男の子が毒にめっちゃ強くてw何を飲ませても効かなくって、最後に残った鼻の下に付けられたでっかいホクロが取れなくって困ってるのよねwで、どうしたと思う?」

「直接物理で戦ったとかですか?」

「残念! 不正解よ! キノレアは毒にも強いけど戦闘も超一流で強いのよ? そんな事したらほくろちゃんが心臓を綺麗に抜き取られて鼻の下のほくろよりも先に命が消えちゃうよww答えはね? さっき歌った歌の歌詞にある毒を全て混ぜた物を飲ませればいけると考えて調合したの。そしたら、その臭気に逆にほくろちゃん自身が毒殺……ちょっと違うか……えっと……そう! 毒自殺しそうになったのよwwwwwバカよねえw」

「ヒヒヒヒヒwヒヒヒヒヒw苦ヒィww」

「面白いでしょwwほら! 聞いてよかったじゃん」

「はひいww苦ヒィww」



「ちょw近いよww分かったからもうそろそろ元に戻ってよ! で、ほくろちゃん気を失って目を覚ますのに4日間掛かったらしいの」

「ほほう」

「でもね、その間に調合した毒薬に変化が起こったのよ」

「ま?」

「そうよ! 成分変化して、万能の解毒薬に変わっちゃったのよね。逆にね!」

「ま?」

「まあお話の中の事で現実ではないからね? でもその話の中では理屈は分からないけどそうなっちゃったらしいわ。
これは私の考察だけど、毒ってプラスかマイナスかで考えたらマイナスでしょ?」

「おうよ!」

「マイナス同士で掛け合わせるとプラスになるみたいな? そんな感じ? それとも4日間の時の流れで毒が全て蒸気で抜けて、綺麗な薬品に変わった? それとも複数の毒が混ざり合い、鍋の中で毒素同士で争い、共倒れして良い成分だけが残ったって感じなのかしら? どれが正解かは分からないけど、色が明らかに変わっていた上に臭いも変わった事から恐る恐るそれを鼻の下に塗ったの」

「なる! その結果はまさか?」

「そう! ほくろが消えたのよwそれからと言う物二度と親父の言う事は聞かず、改心したらしいわ。名前もほくろ無し子ちゃんに改名して、本当の天使として頑張っているわ」

「良かった……七ッピーエンドですね」
ぬ?

「何それ? それを言うならハッピーでしょ? でも本当にこれハッピーかしら?」 

「な?」

「だって107人の犠牲者はもう戻って来る訳でもない……ほくろちゃんの107個のほくろと共に消えて無くなったのよ……」

「なる……106人も……四冥福をお祈りいたします……」

「おい! 色々と間違えてるよ! つっこみが追い付かないよwでもこれ、後味の悪いお話なのよ……全く……ホクロを取る為に人を毒殺するなんて自分勝手wwねえ、これのどこが天使なの? 正に♪あーくーまーのよーうなーデロリーン♪てーんーしーのーえーがおーデロリーンこーーのーむーらにぃー溢れててぇええええええーいるよぉおおお?」

「ま? また歌う? もういい加減にして下さいよ……あんまりしつこいと読者さんに申し訳ないですし」

「え? ど……く? な、なにそれ? 初めて聞く……だけど初めてじゃないような? 心の奥底でその響きを聞いた記憶? 前世の私だった何かが聞いた事がある? 分からない分からないけど……なんか懐かしいの……そして、最高に素敵な響き……」

「何言ってるんですか? 私程度の者がそんな崇高なる存在の事を知っている訳ないじゃないですか!」

「だよねwじゃあ他には……あっ! 大天使の【ミ☆カエノレ】と【ガブリ工ノレ】と【ラファ工ノレ】ね? んでその下にいるのが【ウリ工ノレ】? 細部まで再現されてるぅ。まるで本当に生きてるみたい! でもこれも全部人形なんでしょ? 凄いよ! 取り巻きのお世話している小さい天使もワイヤーで釣ってあるのか分からないけどお空に浮いている! すごおおい。みんなここが気に入ってるのね♡同じ部屋に密集しているんだもん! 考えてみたら今の所ここが一番お金かかっていそうね! 床大理石だもん!! 外から見たら明らかに木造の建物なのにこんな重い材質の石を材料にした部屋が二階にあるなんて……持ちこたえられずに土崩瓦解して一階が潰されないかなあ? ちょっと心配♡でもちょっと思ったんだけど、ここの大理石を売っ払うとかなりの間助かるかもね」

「どうでしょうか? 一つもおかしい所なんて無いんですよね?」

「うーん、ここは……22」

「ま? また減った? これはいい事なのでしょうか?」

「そんなにあったチュウ? 僕はそうは感じなかったピカ」

「ん? 22とは? 市田さん? 彼女は一体何を言っているんだドフ?」

「私にもさっぱり分からないんだよお……」

「フガフガフフ……ワ……カラ……ンフフ」

「みんな分からないニイ? 誰か教えて欲しいニイ」

「さあ次よ」

「お、おうよ!」

「市田さん。もう行くのか? では、私もご一緒させてもらうドフ」
次の間に向かおうとすると、やはりドフキュラも一緒になってついてくる様だ。何故だろうな? 皆示し合せたかのように当たり前について来る。
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