第23話 アリリ恐怖の200つっこみ♡ NO.135♡~NO.200♡

文字数 11,624文字

タイトルが正しければ200到達したみたいですね。果たしてどんなつっこみがされるのでしょう!?
私はこれを思いついた当初、200個なんて絶対に出来ない。と、思っていました。しかし、何度も迷いましたが、まあ取り合えず探してみよう! と、本作のネズニ男の部屋からフフンケンの部屋までを何度も読み直していく内に、200個は、見つかって、しまいました……それだけこの屋敷の初期設定がおかしいと言う事なのでしょう。ですが、これで最終結果とは限りませ……おっと、口が滑った。何でもありません。

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「う、うう……グルルルル」
今にも叫び出しそうにしているアリリ。何故か従順に市田の提案した休憩を受け入れている。だが、その様子は明らかにおかしい。まるで中に別の人格が入っていて、それがアリリと争っている様に感じるのだ……

「フフンケン!! コヒーだ! アリリちゃんにコヒーを飲ませるんだ!! 早く持って来るんだ! 急いでくれ!!」
かつてない程に真剣な表情の市田。コヒーとはもしや? 

「フガ!」

「おい! フフンケン! また語尾を忘れてるよ!! こんな重大な時でもこれだけは忘れるな!!」

「フ、フガフフ!!」
ダダダダダダダ 
市田の剣幕に動揺しつつ駆け出すフンガー。こんな時位語尾は別によかろうに……

「まだか? 私は早くつっこみたいんだよおおおお いつまでも待たせるなあああ」
どんどん ドガンドガン ドゴンドゴン
壁に頭突きを始めるアリリ。

「ブル……ボソの美味しくて甘いお菓子……アルフォトも用意するんだよ? フフンケン」
まーた誤魔化して…… 何故そんな見栄を張ろうと思ったのだ? 既に屋敷の全員に知られている事。
臆病者の烙印は強く捺され、決して消える事は無いだろうに……まあ市田もこの癖だけは何とかしたいと考えているのだろうか? だが、この振動隠蔽のお陰で、市田は余計な出費を払う羽目になった訳だ。そう、アリリはコヒーだけでなくブルボソの美味しいアルフォト? アルフォートではなかったか? まあいい。そんなお菓子までもゲット出来たと言う事なのだからな! 得したな! アリリ!

「フウガフウガフフ」
焦りながらもこぼさないよう慎重にアツアツのコーヒーと、ブルボソの美味しくて甘いアルフォトを持って来るフンガー。やはりコヒーの正体はこれだったようだな。

「お? かなりの良い香りだな。これはかなりの良い豆だ。ですが私だけかもしれないな。
貴女様のお口に合うかどうかは分かりませんが……どうぞアリリ様」
スッ

「ウガ?」
クンクン……サッ
臭いを確認すると奪い取る。そして……
ゴクゴク……バリバリ……サクサク……ゴクゴク

「いかがでしょう?」

「……ウガ」

「ブル」

「あ」

「あ?」

「熱いけど、うまあい♡この個性的ではあるけども嫌味が一切無い香りとほのかな苦み、そして砂糖もただの砂糖ではないと思うわ。このアルフォトもコーヒーとマッチしていて美味しい♡どれをとっても一級品……まさかこんな贅沢な一時を体験出来るなんて♡アリリ、幸せー♡」

「ま? フフンケンやるじゃないか! よかった……」

「フガ……ヨカタッフフ」
たとたどしい日本語で安堵を表すフンガー。

「実は130コンボ辺りから喉の渇きやべえ……って思っていたの。でも若さも助長し、後たった70だからって無理しちゃった♡危うく喉を枯らす所だった。こんな事で命よりも大切な歌を捨ててしまうやも知れなかった……危ねえ……中断されて怒っていたけどあれはただの(つよ)ガリガリ君だったかもね♡ありがと♡」
なんとも美味しそうな強がりである。

「な? ……それなら良かったよ」(強ガリガリ君ってなんだあ? でも今それを聞いたら睨まれそうだし……スルーしておくか)

「よし、人並みの喉の潤いも取り戻した訳だし……残り66個、行くわよー」

「お、お願いします」

「ええと、これ以前にも何回もあったけど、楽しく【お餅屋の茶茶茶】のお歌を歌っていたのに、『今ここでか……』とかいう場を一気に冷やすような言葉を言って邪魔するのを止めなさい。135

次に、オオカニ! へんな団子を見せただけで上半身がゴキブリで下半身人間のキメラに変化するのは止めなさい。耐性のある私だから良かったものの、凡夫では気絶必至。136

で、あの状態でお客さんが驚くのは当然。でもその驚きってどう? ちょっと違うと思わない? だってあの部屋の一番の特徴である怖いおもちゃを見てではなく、オオカニ……違うか、ゴキブリ男を見て引き起こされた恐怖なんだからさ。137

この屋敷の雰囲気で脅かすのが本来の目的でしょ? 住人は目立ってはいけない気がするわ? 138

それにゴキブリを使うなんて卑怯にも程があるわよ! 完全にお化け屋敷の怖さではなく自然界で最も怖い生物を利用しているだけじゃない。こんなの、お化け屋敷の力じゃないと思う。139 

で、変身して開口一番にコンナボクデモアイシテ? 何て恐ろしい事を言わないで欲しい。誰が愛する? しかも2回も言ったのよ? あんた恥ずかしくないの? 2回言うって事は、重要な事なのでって事でしょ? お前は愛に飢えた男、愛飢え男(あいうえお)か! 140

更には変身している間はずっとカタカナ言葉で喋っていた。あれってとっても読みにくいし、全部カタカナって意外と面倒なの。
例えば、【こんなぼくでもあいして】って打ったら私の癖だとスペースキーで変換するのよ。すると、漢字混じりでこんな感じに……

【こんな僕でもあいして】

って変換されちゃうの。私のパソコンの場合こう変換された。パソコンって賢いよね? 中に博識なおっさんが入っているって噂だけど、そのおっさんの匙加減でこう変換されたのかもしれない。でも、いちいち中のおっさんを教育したり取り換えたりは面倒でしょ? だから今のおっさんで我慢するしかないのよね……そう、ここからカタカナに変換していかなければならないんだから……ここからカタカナの

【コンナボクデモアイシテ】

に変換するには沢山の苦労があるのね? まず、

【こんな】

の部分をよく見ると、薄ーくアンダーバーが引いてあるのよ。これはこの3文字がひとまとまりになっているっていう事ね。
だから、まずは【こんな】にアンダーバーがある間はこの3文字のみを変換する事が出来るよ? と言う事を表しています。そして、アンダーバーがある単語に関連する予想変換を、スペースキーか、変換を押す事で確認する事が出来ます。こんなの場合は

【こんな、凝んな、来んな、コンナ】

と4つ候補が現れます。そこで【脳】を使うのです。どれが一番適切なのかなあ? って一生懸命考えましょう。で、数秒考えカタカナに表記されている物が適切だと判断出来る筈ですので、それを選択し→を押しましょう。これで1工程が終わった事になります。
この結果、

【コンナ僕でもあいして】

と表記されています。おめでとうありがとう! ですが当然それだけでは終わりません。
その次に【僕】という漢字1文字をカタカナの【ボク】に変換する必要がありますね? で、先程、→を押した事により、【コンナ】の下にあったアンダーバーが【僕】の所に移動している事実に気付けると思います。
ですので、スペースキー、もしくは隣の変換ボタンを押し、僕をボクになるまで持っていって、それを確認したら→を押しましょう。これで

【コンナボクでもあいして】

まで出来ました! やったあ! それでもまだ全体の約40%程度です。まだまだ先は長いぞ? でも諦めないで? ここまで来て諦めたら今までの自分を裏切る事になるのよ? そんなの駄目でしょ? 絶対に諦めないで? で、同じ要領で次の【でも】に移動させましょう。この部分もひらがなだから間違っています。早速カタカナにしないといけないので変換し、【あいして】も、これからアイシテに変換する必要があるのです。ですがあいしてをアイシテに変換しようとすると、その時になんと36個の変換候補が出て来てしまいます。更に嫌がらせの様に最後の36番目にカタカナのアイシテが出てくる訳なのです。


その長い旅を終え、【コンナボクデモアイシテ】と変換された事を確認致しましたら確定のエンターキーを力強く押し、完成です。ターーーーーン!
どうですか? たかが【こんな僕でもあいして】と言う一言をカタカナに変換するだけの作業でこんなにも沢山の手間が追加されているのですよ? こんな事あんたは知らなかったでしょう? 私も小説を書くまでそんな手間があるなんて知らなかったのですよ! 本当にカタカナ変換ってとってもとっても大変なのです! だからカタカナで絶対に喋らないで下さいまし? 141

後はゴキブリになった状態でその姿を愛せなんて無茶言わないの! その姿で愛してくれる人間は一人もいないんだからさ。諦めて変身解除するまで待つか、大きめのジャケットでも羽織ってゴキブリである事を隠しつつ言いなさい。142

その次には油揚げ見せただけで上がキツネで下が人間の怪物に変化しない事! 143

後、ネズニの前歯の裏が最悪に臭い。口からかなりの長さで飛び出ていて、いくらでも磨こうと思えばしっかり磨ける筈なのに、それを放置していると言う事はただの怠惰でしょ? 何で口臭最悪な奴に限って歯を磨かないのでしょう? 明らかに周りに迷惑を掛けてるのよ? 目が無いの? そして、自分の歯すらも大切に出来ないのなら、適正な長さまでへし折って捨てるべきなのね。10時間以内にへし折っておきなさい。144
 
次は、

「コノスガタハワタシノフォルムノナカデハサイソクダコーン」

と、そのキツネキメラはカタカナで言っていたわ? あのねえ、今書いてみて思ったけどやっぱりカタカナだけって読みにくくない? しかもさっきよりも長かったから変換に物凄い時間が掛かったのよ? まあこれは嘘だけどね。本当は過去作からコピペしただけだから今回は苦労は無かった。でも一番初めにこの文章を書き出した時はあの苦労はした訳なのよ? お返しにさっきの要領でどうやって変換したかを事細かに教えてあげようか? さっきの2倍は掛かるわよ? 嫌でしょ? 聞きたくないよね? 全く……返事だけは良いのに実際数秒経ったら忘却出来るなんて才能でしょ? 脳みそがあるんだからしっかりと従いなさい。145 

で、今度は卵を見せたら恐竜の姿に変身して冒険に誘ってくるし……私の名前はアリリよ? マリアじゃないの。ご主人様の名前位しっかり覚えときなさい。146

でね? あの姿を見た時悲しい光景がフラッシュバックしたの。こんな感じの……



この、もういつ死んでもおかしくないような老い先短かそうな付け髭を付けたマリアとか言う老婆が、変身したオオカニ君に似た若い恐竜を踏み台にしてゴールしようとしているとってもさもしいシーン。
この恐竜は老婆にとってその年老いてたるみ切った尻をその背に触れても一切嫌がらずしかも無料で乗せてくれていると言う優しさを持っている相棒。そう、目的地まで決して文句ひとつも言わずに共に移動してきた仲間の筈。その仲間が、突然老婆とは思えない力で背を蹴り飛び出していった。あのジャンプ力は人間離れしているわ。
勿論人間じゃないわ。山姥よあいつは……人の姿をしていながらにして人の心を持っていない妖怪……あのゴールの先にはエサの美味しい人間が居るんでしょうね……ブル。
そしてその恐竜はそんな妖怪が目的を果たす代償としてその先の世界を見る事無くあの世に行ってしまった……誰しも悲しいと感じる光景よ……オオカニ君? 君も大人なんだから人を悲しい思いにさせるのは絶対にダメよ。147

そういえばあの時オオカニが変身した恐竜、

【でっていう】

と言う複雑怪奇な語尾を使用していた。これってちょっと多い気がするのよね……何がって? 文字数よ! だって語尾って犬なら【ワン】とか田舎のおじさんなら【だべ】とか奇天烈大百科に登場するコ(くち)助なら【ナリ】とか二文字位でしょ? ドフキュラさんだってドフで二文字だし……オオカニ君だって語尾はカニよ? だから、2文字程度が語尾の文字数としては妥当だと言う基礎知識は知っている筈よ? なのにでっていうって……5文字じゃない! 3文字もオーバーしてしまっている訳よ? こんな語尾ねぇ、書く側も悔しいし、読む側だって悔しい。多すぎる文字のせいでみんなが悲しくなる……オオカニ君? 君も大人なんだから人を悲しい思いにさせるのは絶対にダメよ。148

そしてね、オオカニ君ってさ、変身する度に成分不明のガスを噴き出すでしょ? 凄い勢いでさ……あれって本当に悲しいわ。だってもしかしたら吸い込んだら私も何か食べ物を見る度に化け物に変身してしまう体質に変わってしまうかもしれないんだしさ。伝染する危険性は十分に考えられる。ああいう場合、しっかりと煙を出さないように、例えば頭から噴き出す様なら頭を、目からだったら目をしっかりと両手で抑えてから変身しないと! マナーがなっていないと思うし、とっても悲しい事よ? オオカニ君? 君も大人なんだから人を悲しい思いにさせるのは絶対にダメよ? 何回も言わせないでね? 149

で、次変身したのがニンジンを見せて、上半身がウサギで下半身が馬のキメラに変身して、なんとピョンヒヒンという語尾を放った訳。これってさっきお説教した事を全く聞いていないって事になるの。それに過去最高の語尾文字数よ? ここに来て世界記録更新するな! 150 chain! fantastic!! 

そしてね更に酷いのは

【お前なんかに負けないピョンヒヒン】

って言っていた事なのよ。あのね? お前って……私に言ったのよね? 最悪よ……酷いと思わない? お前って言うのはね? 目下の人間には使ってもいいの。だけど、私の立場はどう? あなたよりも遥か上の存在っていう事なの。多分今の状態じゃ理解でけへん思うから理由を軽く説明するけど、無料でこの屋敷のおかしい所を見て回って下さっている若く背と徳の高い娘。これがどれだけ尊い事かちょっと考えれば分かる筈。気を付けなさい」151 

「申し訳ないカニ……」

「後は……疲れたからと言ってお客さんであり尚且つこの屋敷のアドバイザーである私に断りも無しに寝てはいけないのよ? あの時あなた方は私と言うお化け屋敷診断士に外部監査を受けている最中なの。要するに試験中って事よね? しかも、その試験の真っただ中、その部屋主の君が居眠りなんて……何て事なの……それは本当に良い事なのかしら? これはモラルに欠けた行動よ? みんな一生懸命眠い中起きているのにオオカニ君だけ眠ってしまった。周りは一体どういう気持ちで君の単独行動を見守っていたか……それについては考えた事はあるの?」 152

「か、返す言葉もないカニ……」

「で、ラジコンカーを止めてあった駐車場の床に市田さんの笑顔が描いてあったのよね。で、それがラジコンカーのスパイクタイヤでズタズタになっていたのよ。ちゃんと描き直した方がいいわ。その際ズタらないような強力なペンキで描きなさい。153

次に3体のプラモデルのガンバレ達がビームマサムネで市田さんの人形の顔を刺して遊んでいるような場面があった。あれは残酷すぎる。お化け屋敷の域を超えている。子供が真似しかねない。あれは絶対に撤去すべきね。これは間違いなくいらない要素。154

で、ゴルフのグリーンがあったけど、その時ゴルフの事をゴルノって言っていた。どうして一捻りするんだ? 155

後はあ……ネズニの声が臭い。多分内臓が全体的に腐っているんだと思う。故に一旦全身麻酔した後、内臓を全摘出して二日間塩酸に漬け置き洗いしてから戻しなさい。156

で、グリーンの事をグリンって言ってた。なんか気持ち悪いのよ。そういう積み重ねでお客さんが逃げていくのかもしれないよ? だから今まで培ってきたその口癖を一新して真人間になりなさい。157

後は、ゴルフのスコアの話でイーグルとかアルバトロスとかの方がいい成績なのに、敢えてバーディーで喜んでたよね? しかもここでもバディーって言うおかしな言い方をしていた。今まで誰にも指摘されてこなかったのは奇跡よね。これだけおかしい人は滅多にいないわ。158

後オオカニ! 次の部屋に行こうとした瞬間に丁度目を覚ますな! そのまま寝ていれば一人分楽出来たってのによお……多いとセリフ管理が面倒なのよ! 159 

そして次は本の部屋ね。髪の毛が蛇のメデューリさんが出てきた。どう見てもメデューサにしか見えないのに、メデューリってのはおかしいと思う。で、語尾がーリって言っていて、それはとってもおかしいと思う。初見の人は委縮するわ。160

で、頭の蛇の表情が豊かで愛着が湧いた。だけど、そのせいで肝心の本に目が行かないかもしれない。本の部屋なのよ? なのに頭の蛇のインパクトが大きくて霞んでしまう気がする。161

後、そのメデューリさんは私の事を臆病って言っていたけど、このか弱き乙女が臆病なのは良い事でしょう? 可愛くって! 162

で、一冊目の本確かミスティックワードとか言っていたけど、タイトルと表紙だけで内容を当てろなんて無茶振りしないで欲しいわ。結構難しいのよ? 163

私はお客兼アドバイザーよ? その本の内容を言い当てる事がこの屋敷の改善には役に立たないと思う。164

で、その後世間話になって、私が推理クラブの副部長っていう真実を言ったら疑い始めるし……こんな誠実な幼女の言う事は、無条件で全て信頼しなさい! 165

次の本はシークレットサインだっけ? 一生懸命予想していたのに答えを早々公開しちゃって……子供が自分の頭をひねって考えているのにネタバレしたらあかんでしょ? 166

その次のエルダーレコードなんて考える暇も一切与えず答えを言っちゃうし……167

更にはネズニが気配すら臭いし……これだけ臭いんだったらとりあえず全身麻酔した後に中華包丁で体を16個位のパーツに分解して、富士山の頂上で24日間天日干ししてしっかりと殺菌してから再縫合しないとその気配の臭さは消えないわ。即行動しなさい。168

で、そのエルダーレコード? 結構かっこいい名前なのに内容を見たらがっかりな内容。これを本棚に入れる気がしれないわ。169

後はあ……アルス・マグナなんて大仰な名前でどこかの王国の学芸会の記録なんて……そんなもんで私の時間を使いたくなかったわ。170

次はネクロノミコンだっけ? やばい呪文が入っているって……そんなのいつでも触れられる場所に置かれては駄目でしょう? 171

しかもその本呪われていて手にくっ付いて来た! こんなのヤバすぎるって! お客さんの立場になって考えてみて? 手袋で回避出来るからって言ってもしない人もいるんだからさ! あんな本は破り捨てて置け! 172

で、ニイラさんにお払いの呪文を使ってもらったんだけど、その呪文の中に人権侵害のワードが紛れ込んでて深く傷付いたし。173

でニイラさんその事を指摘したら言い訳して口論になった挙句、結局私に言い負かされて弟子になっちゃうし……もうウンザリなのよねえ……もう体一つじゃ足りないわ……174

その時、本来アリリ最高峰のお師匠様と言わなくてはいけないところで、ただのお師匠様呼ばわりして来て私を傷付けるし……175

で、次がフンガーの部屋よね? とりあえずあれはお化け屋敷としては不適切よね。176

ただのキッチンみたいだもん。で、電化製品多すぎるわ。数台壊しておきなさい。177

面接しっかりしないとすぐに辞めてそのノウハウを盗まれるー。怖いー! って市田さん言っていたけど、そんなお粗末なノウハウ私が一瞬で塗り替えられるわ。178

今置かれている現状はかなり厳しいんだから人が入って下さるだけでも感謝しなくては駄目よ? 179

後、ネズニのローブの頭に付いている電気ネズミっぽい生物の顔……あれ、ピカュウチでしょ? やっと気付いたけど、いい年したおっさんが勝手にコスプレするな! 180

で、確かこの屋敷って全ての部屋をめぐってスタンプを揃えたらクリアって話だったけど、なのに料理人が仕事しているこの部屋に何も知らないお客さんが入ったら戸惑わない? そういう意味での驚きはお化け屋敷には必要ないと思うのよ。明らかに関係者以外立ち入り禁止だと思われない? そんなスタッフオンリーの区域を開放しちゃ駄目だと思うよ? 181

で、その料理人は乗り物としても有能で、更に色々な家事が出来る事を教えてくれてさあ。それを聞いたら欲しくなるのは必至。だからちょっと欲しいなあって言ったら間髪入れずNOって……わざわざ欲しくなる様な自慢をするな。182

部屋の中に水槽があるのはおかしい。地震とかで割れたらどうするんだ? 183

で、その水槽正式にはいけすだって指摘して来たけど、細かいわ! 184

これから食べる魚がリアルで見れちゃうって訳でしょ? 罪の意識半端ない。そういうのは秘せておけ。185

で、お米とかこの屋敷でも作っているのに、私のあげたお米まで受け取るのはおかしい。食事には困っていないんでしょ? 早く返して! 186

後、水槽を泳いでいる魚を見て湧いたインスピレーションから思いついた歌、

【おさかな地獄】

を歌っていたら、私の一番歌いたいところを市田さんが奪ってきた。ああいう事をやっていたらお客なんか来る訳ない。しっかり考えよ。187

次に、どの部屋でも歌ってるよね? って言ってきたんで、よくよく考えてみたら、歌っていない場所を思い出したの。そうなればじゃあ戻って歌わなきゃ! ってなるでしょ? その真っ当な民意を否定してきた。そんな事言われたら怒るよね? 人が一生懸命考えて出した結論を頭ごなしに否定するのは駄目なのよ。188 

レタスも栽培してるって言っているけど、その畑のスペースは邪魔だと思うわ。そこを例えば衣装などを格納する倉庫にするなりしてあらゆる妖怪に変装出来るようなスペースに変えた方がいいと思うし、仮にもエンターテインメントのプロなのに農業まで手掛けて……手広くやるとこうなるの! 脅かしの専門なら有機栽培なんか止めて、取り合えず幅広い妖怪の育成をするべきよ。189

後、でっかい冷蔵庫に肉がいっぱい入っていたけど、見張りが料理人しかいない中で一般開放していたら、食いしん坊のお客さんが盗んでいくかもしれないよ? しっかり施錠しておかなきゃ駄目ね。190

それとまな板……ブル。市田さんの顔が描いてあったのよ……ブル。それも包丁の切跡でズタズタにされていた……あんなの見たらお客さん失禁しちゃうよ? ちゃんと奇麗に削り落としてなかったものにするか、ちゃんと刃物が当たっても消えないインクで書き直すかはっきりしなさい。あのままだとまな板にゾンビがいるみたいで気持ち悪いのよ。191

後は……ネズニの骨が臭い。これは盲点だったわ。今まで色々な部分が臭いと思っていたけど、内臓あたりを指摘した辺りで気付いた。実は彼、大元の骨そのものが臭いの。これではどうしようもない。一旦全身麻酔して、皮を剝いだ後に、頭蓋骨から足の指の骨までを隅々まで高圧洗浄機で24時間洗浄した後に剥ぎ皮を戻しなさい。192

で、そのまな板の上の絵を見て普通に震えただけなのに市田さんが自分のモノマネをしないでって言ってきたの。怖い時に震えるのは普通なの。それ位心得ておきなさい。193

後は見落としていたかもしれないけど多分市田さんの顔、屋敷の色々な所に隠れていると思うわ。これって屋敷の人間には受け入れられるかもだけどお客さん視点からでは違和感がある。全部消した方がこの屋敷の為だと思うよ。昨日私が泊まったホテルでもそういう事をする勘違い馬鹿がいたけど、私の逆鱗に触れ、ほとんど全てをマジックで塗り潰したからね? 需要無い物を供給するな! 194

後はお化け屋敷単体って言うのがまずいのかもね。だってお化け屋敷って遊園地のアトラクションの一つに過ぎないでしょ? 普通お化け屋敷を終わったら次のアトラクションに向かう。そんな流れだと思うのよ。なのにそれ単体しかなかったらどう思う? つまらないと思わない? 結局お化け屋敷単体では行かないと思うの。例えば色々回っても最後の記憶が一番残ると思うのよ。みんなも怖い思い出で終わらせたいとは思わなくない? こんな所に建てても駄目なのかもね。だから、本気でやるのならどこかの遊園地内に引越ししなさい。195

それでもこの場所でお化け屋敷をやりたいなら料理を最後に出すなんて事は中止にすべきよ。お腹を満たす為にここに来ている訳じゃないのよ? きっとスリルを味わう為に来ている。お客さんの立場になって考えなさい。食事処でお腹いっぱいにした後でここに来るお客さんだっているんだし、それで3000円掛かるんだったら入場料を半分にして食事を出すな! 色々手を出して、どれもこれも中途半端になる訳だから、今はお化け屋敷としての機能を錬磨する事だけに一点集中しなさい。196

そして、全体的に看板に英語表記されている。色々な客を引き込むなら中国語とかドイツ語とかの表記もあった方がいいかもね。197

後は案内の市田さんがいたから迷わず行けたけど空き部屋があるのなら、そこに誤って入らない様に次はこちらみたいなナビゲートの立て札や張り紙はあった方がいい。 198

それにスタンプの所在地を、部屋のどこにあるのかのヒント位は全部屋に用意した方がいいわね。謎解き感覚で面白いと思うわ。199

で、最後にネズニの魂が臭い。骨が臭いって事を発見した時に閃いたんだけど、もっと根本的な、そう……こいつの魂そのものが臭かったのかもしれない。故に、霊媒師を3名程用意して、ネズニに全身麻酔を施した後魂を取り出して、その汚れた魂を魂専用石鹸で48時間しっかり洗浄してからその体にしまうべきと感じた……ふう……こんな所かしら?」200chains! marvelous!!


「え……?」





「な……?」





「り……?」





「だ……?」 





「か……?」





「ず……?」





「き……?」




「ち……?」

「ちょっと! だと、ちは余計でしょ?」

「アリリちゃん? 落ち着いて下さい」

「大丈夫今終わったわ♪」

「な? ほ、本当に200個言ったよこの子……そんなにも改善点が……何年かかるんだ……」

「始めはね? 一つ一つ突っ込んでいこうと思っていたの。だけど多すぎるからそんな事していたら疲れちゃうと思い直した。だから一旦しまって置いて、まとめて突っ込んでみました♡」
へえ、簡単に言うんだなあ。

「そうだったんですね。しかし、何という記憶力……伊達にボケ人間コンテスト優勝者じゃないですね」

「フッw過去の話よ……」
ふむ……確かに200の突っ込みをしてしまったな……なんかこう、少しだが寂しい気持ちになってしまう。
それは、彼女の成長の凄まじさを一番近くで見て来たのだが、遥か遠くに行ってしまった気がした。
私は1話の冒頭、彼女と文字数漫才をした過去がある。その時は私の圧勝であった。余裕で彼女を論破出来たのだ。だが、今の彼女と戦ったら……もしかしたら引き分けになってしまうだろうな……悔しいが認めざるをえまい……

「凄いドフ」

「びっくりリキ!」

「とりあえず住民達もベースは怖い妖怪なんだから怖くしていこう? きっと私の言う通りにすれば上手くいくから」

「そうだよね……奇をてらい過ぎたか」

「と、言うと?」

「ポツンと自然の風景に溶け込むネズニ男。恐怖を引き立てませんか? 大自然の空気の良い平原に、ポツンとあの男が一人たたずむ光景。アリリちゃんはその奥のスタンプを押しに行く勇気はありますか?」

「確かに言われてみれば……でも新しすぎたのかもね。人気が無いって事はさ、そういう事かもね。普通に戻してみようよ」

「日常の光景から一つ何かが足りない。そういう物を経営方針でトップを目指しています」

「変な方針ね」(一つ足りない……ね……彼の名前……ちょっと変わっているわよね……確か、市田理内……いちたりないよね? 何かに変換できそうな気が……うーん、もういいや……結構使ったしこんな状態じゃあ頭も回らないわ……でもまだ空き部屋があるとか言ってたけど、その条件に合う妖怪は出てくるのかしら? この屋敷。確か五鳴館って言ったわよね……そういえばどこからか名前を取ったって言っていたけどそれもいつか分かるかもね。色々と興味出て来たわ)

「ち、ちょっと待って欲しいピカ」
ぬ?

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おや? ピカチュウの様子が……?
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