第61話 

文字数 659文字

――――

 あの戦争から、なんとか橋を守れた。

 ここは、周辺の強国とは異なり、唯一資源が豊富なグレート・シャインライン国。その豪華な装飾のある。広々とした玉座の間にある玉座に、俺は今座っていた。隣には、お妃であるソーニャがいる。

 ここに座っていると、いつも思うんだ。
 なんだか幸せ過ぎて、夢を見ているような感じだって……。
 
 俺はあの戦争の後。
 グレート・シャインライン国の王になったんだ。
 だけど、まだ白と騎士の国とは戦争中だった。

 クラスド・エドガーが統治していたといわれる国。そして、千騎士の国。それに最強最悪の国と呼ばれる白と騎士の国と……。

「あなた。もうすぐご到着よ」

 お妃であるソーニャが隣から囁いた。
 
「お、おう」

 緊張するなあ……。

 俺は玉座で、そわそわした。

 玉座の間の大扉がゆっくりと開き、従者たちと西と南の国のそれぞれの代表者が到着した。
 
 アリテア王とアスティ女王だ。

 あれ??
 東の国のクシナ皇帝は??

 遅刻かな??

 そう思った直後、すぐに玉座の間の大扉が勢いよく開いた。

「うぐっ! 鬼窪王よ! 私でもダメだった!」

 クシナ皇帝だ。
 連れそう満身創痍の従者たちと共に、血を吐きながら、クシナ皇帝は床に崩れ落ちた。

「だ! 大丈夫か?! どうしたんだ!!」

 俺は慌てて玉座からクシナ皇帝へと駆け寄った。
 ソーニャもその場で立ち上がった。

「クシナ要塞は壊滅。東の兵は全滅だ。白と騎士の国には、何人たりとも敵わないんだ! いや……人では……敵わない」
「へ??」
「え??」
 
 俺とソーニャは異口同音した。
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