第55話
文字数 1,349文字
……
そういえば、オニクボは??
あいつも一緒に落下したのかな??
俺は辺りを見回すと、遥か上の方から声がした。
「あばよ! 鬼窪くん! 俺は一足先にラピス城へ戻ってるぜ!」
オニクボの大声が上から降ってくる。
ふうっ……あいつも強いなあ……。
俺はオニクボが敵でなくてほんと良かったと思った。
「鬼窪くん! すぐに戻って!! ラピス城が!!」
マルガリータが大きめの箒を抱えて、血相変えて走って来た。どうやら、落下したここは、軍備管理室というプレートが柱に張ってある広い場所だった。
「うん??」
「今度は、白の騎士の国が攻めてきたの!! 今は、ラピス城はクシナ要塞との交戦でほぼ壊滅状態よ! ブルードラゴンだけがなんとかしてくれているの!!」
「えええ!! なんてこった!!」
「フッフッフ。案ずることはないぞ鬼窪よ! たった今から、クシナ要塞はラピス城に同盟するぞ!!」
クシナ皇帝がむくっと起き上がると、そう宣言して、どこかへと急いで走っていた。
よし!! これなら!! いけるぜ!!
クシナはもう味方だ!!
あ! 上にいた猪野間はどうするんだろう? もう味方だよな……。
「鬼窪くん。私も行くわ! ちょっと待ってて!!」
軍備管理室のドアから、猪野間の声が聞こえたかと思うと、こちらに駆けて来た。
「マルガリータ!! すぐ行く!! 俺たちを乗せていってくれ!!」
「え……ええ」
俺と猪野間は手近なパネル式の窓を開けると、マルガリータの箒に乗った。
「じゃ、行くわよ。鬼窪くん。猪野間さん。ちゃんとつかまっていてね! さあ! 飛んで!!」
マルガリータの一声で、大きめの箒は自然と浮いてきた。
すぐさま、箒は大空へと飛翔した。
俺たちを乗せて。
俺たちを乗せたマルガリータの大きめの箒は、徐々に高度を下げていった。
目的地は遥か下方のラピス城だ。
ラピス城は至る所からモクモクと黒煙を上げていた。
無数の砲撃によって、崩れかけたラピス城の上には、旋回しているブルードラゴンの凄まじいサファイアブレスが、敵国に向かって吐き出され、遥か北は青い炎で燃え盛り、白一色の鎧の兵ごと焼け野原と化している。だが、それでも、白と騎士の国の兵は何事もなかったかのように進軍している。
俺たちのところまでは、今のところ砲撃はこないのだが、ブルードラゴンのお蔭で、今でも、ダメージを受けているラピス城は、なんとか無事だった。
「つ……強過ぎるぞ! あの兵たち! ブルードラゴンのサファイアブレスでも平気みたいだ! 白と騎士の国? って、一体??」
「ねえ、鬼窪くん。ちゃんと勉強しているの? 白と騎士の国は、千騎士の国と呼ばれていて、古代から史上最強を誇っているの。いわば、強国の中でも断トツに強い国なのよ。兵たち一人一人が千騎士だから、並大抵じゃ敵わないわ」
「うへえええ。そ、そんな強国があるなんて?!」
「うーん……今のままだと……ラピス城が落ちるわ」
「へ??」
急に吹いてきた強い風の中。
むせるほどの煙の臭いが混じって来た。
遥か北はもうサファイアブレスによって、青々と燃え盛っている。
そういえば、ライラックやソーニャも千騎士だったっけ……。
ライラックは一度倒しているから、俺と神聖剣なら太刀打ちできるはずだ!
そういえば、オニクボは??
あいつも一緒に落下したのかな??
俺は辺りを見回すと、遥か上の方から声がした。
「あばよ! 鬼窪くん! 俺は一足先にラピス城へ戻ってるぜ!」
オニクボの大声が上から降ってくる。
ふうっ……あいつも強いなあ……。
俺はオニクボが敵でなくてほんと良かったと思った。
「鬼窪くん! すぐに戻って!! ラピス城が!!」
マルガリータが大きめの箒を抱えて、血相変えて走って来た。どうやら、落下したここは、軍備管理室というプレートが柱に張ってある広い場所だった。
「うん??」
「今度は、白の騎士の国が攻めてきたの!! 今は、ラピス城はクシナ要塞との交戦でほぼ壊滅状態よ! ブルードラゴンだけがなんとかしてくれているの!!」
「えええ!! なんてこった!!」
「フッフッフ。案ずることはないぞ鬼窪よ! たった今から、クシナ要塞はラピス城に同盟するぞ!!」
クシナ皇帝がむくっと起き上がると、そう宣言して、どこかへと急いで走っていた。
よし!! これなら!! いけるぜ!!
クシナはもう味方だ!!
あ! 上にいた猪野間はどうするんだろう? もう味方だよな……。
「鬼窪くん。私も行くわ! ちょっと待ってて!!」
軍備管理室のドアから、猪野間の声が聞こえたかと思うと、こちらに駆けて来た。
「マルガリータ!! すぐ行く!! 俺たちを乗せていってくれ!!」
「え……ええ」
俺と猪野間は手近なパネル式の窓を開けると、マルガリータの箒に乗った。
「じゃ、行くわよ。鬼窪くん。猪野間さん。ちゃんとつかまっていてね! さあ! 飛んで!!」
マルガリータの一声で、大きめの箒は自然と浮いてきた。
すぐさま、箒は大空へと飛翔した。
俺たちを乗せて。
俺たちを乗せたマルガリータの大きめの箒は、徐々に高度を下げていった。
目的地は遥か下方のラピス城だ。
ラピス城は至る所からモクモクと黒煙を上げていた。
無数の砲撃によって、崩れかけたラピス城の上には、旋回しているブルードラゴンの凄まじいサファイアブレスが、敵国に向かって吐き出され、遥か北は青い炎で燃え盛り、白一色の鎧の兵ごと焼け野原と化している。だが、それでも、白と騎士の国の兵は何事もなかったかのように進軍している。
俺たちのところまでは、今のところ砲撃はこないのだが、ブルードラゴンのお蔭で、今でも、ダメージを受けているラピス城は、なんとか無事だった。
「つ……強過ぎるぞ! あの兵たち! ブルードラゴンのサファイアブレスでも平気みたいだ! 白と騎士の国? って、一体??」
「ねえ、鬼窪くん。ちゃんと勉強しているの? 白と騎士の国は、千騎士の国と呼ばれていて、古代から史上最強を誇っているの。いわば、強国の中でも断トツに強い国なのよ。兵たち一人一人が千騎士だから、並大抵じゃ敵わないわ」
「うへえええ。そ、そんな強国があるなんて?!」
「うーん……今のままだと……ラピス城が落ちるわ」
「へ??」
急に吹いてきた強い風の中。
むせるほどの煙の臭いが混じって来た。
遥か北はもうサファイアブレスによって、青々と燃え盛っている。
そういえば、ライラックやソーニャも千騎士だったっけ……。
ライラックは一度倒しているから、俺と神聖剣なら太刀打ちできるはずだ!