その3のつづき 初心者のヒツジが「私」で書くか「彼女」で書くか迷ったお話
文字数 1,291文字
今度はヒロインを美人にすることに、何の抵抗もありませんでした。
だってオフィーリアなんですから。
思いっきり素敵な子でないと!
自分がモデルだったとき、美化しないようにセーブしていたのとは、
180度、方向転換。
逆の方向に振り切れちゃったんです。
だってオフィーリアなんですから。
思いっきり素敵な子でないと!
自分がモデルだったとき、美化しないようにセーブしていたのとは、
180度、方向転換。
逆の方向に振り切れちゃったんです。
自分に似た主人公だったときは、
「これ私のことだと思われたらどうしよう」
って、びくびくして、
素敵すぎないように、でもダメすぎもしないように、
「これ私のことだと思われたらどうしよう」
って、びくびくして、
素敵すぎないように、でもダメすぎもしないように、
あっちこっち調整して、結果きれいごとになっていたのが、
オフィーリアにしたとたん、
一気に書けたんです。
自分ではうまく流せなかった涙が、
オフィーリアの涙としてなら、思いっきり流せたんです。
オフィーリアとしてなら、
「私」は言いたいことを思いっきり叫べました。
せせこましい現実から解き放たれて、広い場所へ出られたからです。
ファンタジーという広野へ。
同じ題材でも、オフィーリアを「彼女」と呼んでいるかぎり、
語り手の「私」はきちんと、礼儀正しく、
現実の側にとどまったまま、
だったろうと思うんです。
だけど……
ちょこちょこっとした美化や修正じゃなくて、
「私=オフィーリア」
なーんて、とんでもない大ウソをついた瞬間、
「私」は言いたいことを思いっきり叫べました。
せせこましい現実から解き放たれて、広い場所へ出られたからです。
ファンタジーという広野へ。
同じ題材でも、オフィーリアを「彼女」と呼んでいるかぎり、
語り手の「私」はきちんと、礼儀正しく、
現実の側にとどまったまま、
だったろうと思うんです。
だけど……
ちょこちょこっとした美化や修正じゃなくて、
「私=オフィーリア」
なーんて、とんでもない大ウソをついた瞬間、
ちょっと、あの体験に似てました。
高校のとき、傘忘れたのに、帰り、雨降ってきちゃって。
はじめは
「あー、服濡れる、靴濡れる、カバン濡れちゃう……」
高校のとき、傘忘れたのに、帰り、雨降ってきちゃって。
はじめは
「あー、服濡れる、靴濡れる、カバン濡れちゃう……」
って気にしてたんだけど、
途中で
「もう、いい!」
ってひらきなおって、どしゃぶりの中、ずぶ濡れで歩いて帰ったんです。
あの、解放感。
人が「書きたいのに、書けない」ときのハードルって、
大きく分けて二つありませんか。
一つはもちろん、スキル(書く技術)の不足。
もう一つは……
メンタルブロック。
メンタルブロックをはずす、ということは、
とにかく、自分の思いこみを、はずしていくことです。
大きく分けて二つありませんか。
一つはもちろん、スキル(書く技術)の不足。
もう一つは……
メンタルブロック。
メンタルブロックをはずす、ということは、
とにかく、自分の思いこみを、はずしていくことです。
ヒツジの場合は、
「地の文が『私』でも、この私本人(=ヒツジ自身)のこと書かなくていいんだ」
というね、
「私に似てない『私』で書いていいんだ」
「別の『私』になりすましていいんだ」
ということにしちゃったら、解放されました。
楽になれました。
そういう
「リミッターはずし」
「メンタルブロックくずし」
って創作にとって、ほんとに決定的に大事。
ですよね。
「地の文が『私』でも、この私本人(=ヒツジ自身)のこと書かなくていいんだ」
というね、
「私に似てない『私』で書いていいんだ」
「別の『私』になりすましていいんだ」
ということにしちゃったら、解放されました。
楽になれました。
そういう
「リミッターはずし」
「メンタルブロックくずし」
って創作にとって、ほんとに決定的に大事。
ですよね。