雑談・熊のおはなし・Ⅱ

文字数 1,365文字

そんなに熊にビビリしいなのに、よく山に行くよね。
2024/05/03 21:21
本当にね。アホだわよね。

まあ理由を聞かれたって、聞く人に納得できるように説明出来ないわよ。

行きたいから行く、でしかないんだもの。

せいぜい自分に出来る用心をして行くだけだわ。

2024/05/03 21:24
自分で出来る用心って、鈴とか爆竹とか?
2024/05/03 21:25
爆竹は駄目よ。驚いた熊が暴走して他所で誰かと鉢合わせする可能性だってあるし。

鈴は効果あるかどうか分からんけど一応持ってた。

個人的にはカランカランよりチリンチリン派。

2024/05/03 21:27
派ってあるんかよ。

スプレーが最強って聞いたけど?

2024/05/03 21:28

いざとなったらパニクって、自分に向けて噴射する自信が120%あるわ。

まあでも、常備していた時期もありました。使わんで済んでヨカタ。


でもね、所詮、非力な私に出来る一番の用心は・・

2024/05/03 21:31
一番の用心は?
2024/05/03 21:40
土日祝日に登る事!
2024/05/03 21:40
ぶふぉ!?
2024/05/03 21:41

いや今だったら考えられないけれどね、

当時、山ってそこまで人口密度が高くなかったのよ。

実際、マイナーでもない山なのに平日に登って、

スタートから下山まで、誰一人会わなかった事もあるわ。


熊以外にも山は怖い事が一杯だからね。

蜂やカラスに追い掛けられただけでも山だったら命の危険を感じるし。

単独がメインの私に出来る用心は、周囲に人間がワラワラ居る状況で登る事、だった。

2024/05/03 21:39
な、なるほどね・・
2024/05/03 21:46
いっぺん、某北海道最高峰のてっぺんに、張り切って早朝一番に到着しちゃってさ。

裏側一面雪渓で道が埋もれてて、モヤがすごくて、

「これは独りで行っちゃダメな奴だ」と、誰か来る迄ずっと待っていた事があるわ。

四十分ぐらい。吹きさらしで。


そしたら、ナンチャラツーリズムのバッジ付けた数十人の団体さんがやって来て、

「こんなんすべり下りたらいいんだわさーー」って、

ワイワイと、てんで勝手に尻滑りで下りて行っちゃって。

2024/05/03 21:52
あそこ、裏がすぐ野営地だからな。モヤってなければ見えただろうけど。

ホント、アホだな。

2024/05/03 21:52
だって、別の時に、モヤの下山で道迷いをやらかした山だもん。

あの時は下の駐車場のスピーカーの音を頼りに下りられたけど、

一歩間違えたらSOSの方へ行ってたのよ。

2024/05/03 21:58
ガチかよ。本当に今よくここに居られるな。
2024/05/03 21:59
運だけでここに立っているわ。
2024/05/03 22:00
熊の話からそれちゃったね。
2024/05/03 22:10

じゃあ〆の話。


前回、バイト中に熊を目視した話をしたけれど、

実は一番怖い思いをしたのはその時じゃないの。

2024/05/03 22:12
ふむ?
2024/05/03 22:12
あるロープウェイの脇道を徒歩登りしていた時の話。

あと一息って所で、最後の沢に出た時、


すごく、におった、の・・!


狐の匂いじゃない、全然違う。

もっと濃厚で、生臭い。

それこそ、今吐いたばかりの息のような。

2024/05/06 23:59
うひえぇ!
2024/05/07 00:00
「怖い!」と思った瞬間、谷全体が何かの生き物の口の中にように感じて、

全方位からじっと見られているような気がして。


足がすくんだすくんだ。

どっちに行く? 進むか、戻るか?


多分考えて立ち止まっていた時間は十数秒だけど、えらく長く考えて、結局登った。

もう九割がた来てて、あとちょっとで人の多いロープウェイ駅って分かってたから。

2024/05/07 00:05
怖いな。
2024/05/07 00:15
結局何だったかは分からず終い。

でも怖かったのは怖かった。

それ以来、ロープウェイ使うようになりました。

2024/05/07 00:16
びびりしぃだな。

でも怖がるって気持ちは時としては大切かもね。

2024/05/07 00:23
PS:バイク乗りさんは北海道の林道行くんなら、

咄嗟のアクセルターンを完璧に決められるようになってから行けと、

天の声が言っています。

2024/05/03 22:44
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登場人物紹介

柿ただちゃん: 作者の代弁者。 渋柿の木の妖精。

妖精だけれど、人間の文化大好きで、俗物にまみれている。ポシェットの中は飴ちゃん。

だいちゃん: 解説とツッコミ担当。 謎の生き物。

とりあえず流れに逆らわない。

風すっか: たまに時空を超えて突っ込んで来る、新潟寺泊の風の妖精。

本気で飛ぶと、何かにぶつかるまで止まれない。好物は寒ブリ。

道祖神ちゃんA

道祖神ちゃんB

道祖神ちゃんB”

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