正十七角形の毀れかた

作者 和泉綾透

[学園・青春]

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「いつもの狂言自殺」に失敗した女。ーー女と宿命的に関わってきた四人の十七歳の少年・少女の「生」と「性」をめぐる物語。

一人の女が「いつもの狂言自殺」に失敗する。
その女が産んだ兄妹なのに従兄妹として育った少年と少女、
その女と出会ったがために家庭を崩壊させてしまった少女、
その少女が自ら罰しようとした命を救ってしまった少年。
女と宿命的に関わってきた四人の十七歳の少年・少女の中で、「生」と「性」の謎が――この世界に在ることの謎が――頭をもたげてくる。

 僕らは都内にある偏差値の高い有名私大の付属高校に通う二年生であり、日々、なにができるかではなく、なにができないかばかりを突き付けられるよりほかどうしようもない、ふつうの十七歳の少年だ。
 実際、確かになにをやったところでどうせ誰かがすでに終えていることばかりであるのは間違いないとはいえ、僕らはまだなにひとつ終えてはいない。確かに二十一世紀のこの世界に誰もまだ終えていないことなどあるはずがないとはいえ、僕らはまだなにひとつ終えてはいない。
 十七歳であるというのは、つまり、そうした事態の集積の象徴みたいなものなのだ。

 なにしろ十七歳の私たちが受け入れなければならない事柄はたくさんある。きっと本当に実のところそれは無数にあるのではないかと思う。そうして私たちは日々傷ついて行く。心痛という意味で傷つくのではない。毀(こぼ)れるという意味で傷つくのだ。私たちは日々毀(こぼ)れて行く。なぜか?――私たちが明日に期待しているからだ。
 十七歳であるというのは、つまるところ、そこに行き着くのだと私は思っている。私はこの世界で私が受け入れるべきものの本当の姿を見極めたいのだ。