零日目―01
文字数 375文字
主な登場人物は五人――刀矢湊斗 、御堂泉美 、須藤愛莉 、栂野結衣 、手塚玲央 (僕)。全員が十七歳になる高校二年生。始まりは二十一世紀に入ってから十八回目の十二月が始まったところ。場所は北半球(北緯三十五度と少し)にある日本の首都・東京――つまり、季節は冬だ。
物語は年を越さない。でもそれはたまたまそうなったというだけだ。年を越す可能性もあったと言いたいわけではない。僕らにはそんなことはわからなかったし、考えてみることもしなかった。しかし大人たちはきっとそんなことを心配していたかもしれない。たぶんそうだろう。
物語は少しばかり悲しい。いや、酷く悲しい。だけど僕は殊更そのことを強調し過ぎないように心がけたいと思う。あざとく悲劇の登場人物を気取るような真似はしたくない。それは不毛な態度だと思うし、演じる側だって恥ずかしいからだ。――じゃあ、始めるよ。
物語は年を越さない。でもそれはたまたまそうなったというだけだ。年を越す可能性もあったと言いたいわけではない。僕らにはそんなことはわからなかったし、考えてみることもしなかった。しかし大人たちはきっとそんなことを心配していたかもしれない。たぶんそうだろう。
物語は少しばかり悲しい。いや、酷く悲しい。だけど僕は殊更そのことを強調し過ぎないように心がけたいと思う。あざとく悲劇の登場人物を気取るような真似はしたくない。それは不毛な態度だと思うし、演じる側だって恥ずかしいからだ。――じゃあ、始めるよ。