イージー・ライダー
文字数 1,600文字
ズドン!
王妃様の猟銃が火を噴き、赤い帽子を吹き飛ばしました。
ズドンッ!
再び、銃口から硝煙が立ち昇ります。
再び、銃口から硝煙が立ち昇ります。
そう。そのサンタさんは一か所だけ(?)間違えておりました。
不思議なもので、サングラスをかけているだけで、サンタというより悪者に見えてしまうのです。
これはホールドアップ不可避というもの。
ただえさえ、住居に不法侵入するお仕事なのですから、コスチュームは一分の隙もないようにしておきたいものですね。
不思議なもので、サングラスをかけているだけで、サンタというより悪者に見えてしまうのです。
これはホールドアップ不可避というもの。
ただえさえ、住居に不法侵入するお仕事なのですから、コスチュームは一分の隙もないようにしておきたいものですね。
身じろぎもせずに、しっかりを照準をつける王妃様に、サンタさんは慌ててサングラスを外しました。
その青い顔には見覚えがありました。
それは、かつてアリスちゃんの星で出会った上司様だったのです。
それは、かつてアリスちゃんの星で出会った上司様だったのです。
危うく殺される所でしたけれども。
誤解も解け、上司様は再びサンタクロースの扮装に戻りましたが、王妃様は残念そうでした。
誤解も解け、上司様は再びサンタクロースの扮装に戻りましたが、王妃様は残念そうでした。
ふと見れば、庭にはトナカイでもソリでもなく、ハーレーダビッドソンのバイクが停まっておりました。
物凄いチョッパーなのが若干トナカイっぽかったですが、それはさておき、こんなマシンでサンタの格好をして突然ふらりと現れるというのはいかにも酔狂です。
物凄いチョッパーなのが若干トナカイっぽかったですが、それはさておき、こんなマシンでサンタの格好をして突然ふらりと現れるというのはいかにも酔狂です。
上司様は訂正をいたしました。
愛する女性の名前ですから、たとえ王妃様のような身分の高い方に対してでも、間違いを正さずにはおれなかったのです。
愛する女性の名前ですから、たとえ王妃様のような身分の高い方に対してでも、間違いを正さずにはおれなかったのです。
クリスマスっぽいですね。
違います。
伸ばすのはやめてあげてください(あと、イントネーションも)。
ですが、今度の間違いは微妙な間違いだったので、上司様もそれ以上は言えませんでした。
それに実は少し、それ以上強く訂正を求めるには……問題があったのです。
伸ばすのはやめてあげてください(あと、イントネーションも)。
ですが、今度の間違いは微妙な間違いだったので、上司様もそれ以上は言えませんでした。
それに実は少し、それ以上強く訂正を求めるには……問題があったのです。
上司様らしからぬ歯切れの悪い様子に、王妃様はピンときました。
王妃様に限らず、女の人というのは勘が鋭いのです。
それは女性ホルモンにそういう働きがあるからです。
そして、男の人というのは、ときどき、わけもなく放浪の旅に出たり、一人の時間を欲しがったりします。
これも男性ホルモンにそういう働きがあるからですが、この場合は……。
そう。これはもう、二人の仲に何かあったに違いありません。
それは女性ホルモンにそういう働きがあるからです。
そして、男の人というのは、ときどき、わけもなく放浪の旅に出たり、一人の時間を欲しがったりします。
これも男性ホルモンにそういう働きがあるからですが、この場合は……。
そう。これはもう、二人の仲に何かあったに違いありません。
本当に興味があるのは旅の話ではなくて、アリスちゃんとの仲の話なのですが、それはおくびにも出さず、しかし、丸わかりの態度で、王妃様は上司様を強引に引き留めようといたしました。
女の人というのは、そういう話に目がありませんからね。
上司様は上司様で、それを察して大人の撤退モードです。
女の人というのは、そういう話に目がありませんからね。
上司様は上司様で、それを察して大人の撤退モードです。
上司様は考えなおして、おもてなしを受けることにしました。
色々と思う所もありつつ、口を挟まぬパイナップルでした。