パイナップルの提案
文字数 1,866文字
お殿様は身を乗り出しました。
パイナップルは家臣の中でも知恵者と評判だったのです。
パイナップルは家臣の中でも知恵者と評判だったのです。
パイナップルが殿さまに見せたのは一通の封書でした。
それを聞いて、殿様だけでなく、その場にいたフルーツたちは全員顔色を変えました。
「ご婦人」と聞いては心穏やかではありません。
今まで誰も本物の女性に触れたことはおろか、目にしたことすらなかったのですから。
皆、固唾を呑んでパイナップルが話を続けるのを待ちました。
「ご婦人」と聞いては心穏やかではありません。
今まで誰も本物の女性に触れたことはおろか、目にしたことすらなかったのですから。
皆、固唾を呑んでパイナップルが話を続けるのを待ちました。
これはとんでもない、大胆な提案でした。
この星始まって以来のことです。
この星始まって以来のことです。
ジャックフルーツは貴公子然とした対面を保つよう、精一杯動揺を押し隠して尋ねました。
パイナップルの言う事はまさしく正論でした。
しかし、他のフルーツたちは、お殿様も含めてモジモジとするばかり。
こういう、正論を堂々と言っちゃう人っていますよね。そして、そういう人は一般の人々の気持ちがわかってないというか。
なんというか、その……そうじゃないんだよなあっていう。
しかし、他のフルーツたちは、お殿様も含めてモジモジとするばかり。
こういう、正論を堂々と言っちゃう人っていますよね。そして、そういう人は一般の人々の気持ちがわかってないというか。
なんというか、その……そうじゃないんだよなあっていう。
誰もそんなこと望みはしてないなのです。
場には果実の甘い香りに混ざって「余計なこと言いやがって」という空気がめっちゃ漂う感じでした。
かといって、誰も、それを表立って言う事もできないのでした。
「チキン野郎」になってしまいますからね。
彼らはフルーツですから、肉呼ばわりされてしまうのは屈辱だったです。
場には果実の甘い香りに混ざって「余計なこと言いやがって」という空気がめっちゃ漂う感じでした。
かといって、誰も、それを表立って言う事もできないのでした。
「チキン野郎」になってしまいますからね。
彼らはフルーツですから、肉呼ばわりされてしまうのは屈辱だったです。
控え目な口調でパパイヤが言いました。
普段は軽んじられがちな彼でしたが、このときばかりは皆、「上手いこと言ってくれた!」と感謝しました。
しかし、空気を読まない奴が約一名。
普段は軽んじられがちな彼でしたが、このときばかりは皆、「上手いこと言ってくれた!」と感謝しました。
しかし、空気を読まない奴が約一名。
そう言って、パイナップルが便りの文面を皆に見せました。
意味不明な内容に、殿さまをはじめ皆がハテナという顔となりました。
パイナップルは気を取り直して、見せたかったほうの便りを取り出しました。
するとそこにはこう書かれていたのです。
するとそこにはこう書かれていたのです。
またしても全員の顔色が変わりました。
なんという「童貞を殺すダイレクトメール」!
この誘惑は青い果実たちにとっては、どうでも抗いがたいものだったのです。
女の人のオナニーですよ!
「自分が選ばれなかったら」という先ほどまでの憂慮と天秤にかけても、これには欲望のほうが勝ちます。
この誘惑は青い果実たちにとっては、どうでも抗いがたいものだったのです。
女の人のオナニーですよ!
「自分が選ばれなかったら」という先ほどまでの憂慮と天秤にかけても、これには欲望のほうが勝ちます。
これがとどめとなりました。
決め手は「間違いのない裁定」ではなく、当然「王妃」という部分です。
王妃様のオナニーですよ!
プレミアつきです。この機会を逃しては、次はいったい何年後……いいえ、きっともう二度とこんなことはないでしょう。
決め手は「間違いのない裁定」ではなく、当然「王妃」という部分です。
王妃様のオナニーですよ!
プレミアつきです。この機会を逃しては、次はいったい何年後……いいえ、きっともう二度とこんなことはないでしょう。
最初にそう言ったのは龍の形の「ちょんまげ」をしたドラゴンフルーツでした。
彼は格好をつけるのが上手なフルーツで、どういうタイミングでどんな言い方をすれば見透かされないかをよく心得ておりました。
そして、内心、選ばれるのは自分だという自信もあったのです。
彼は格好をつけるのが上手なフルーツで、どういうタイミングでどんな言い方をすれば見透かされないかをよく心得ておりました。
そして、内心、選ばれるのは自分だという自信もあったのです。
次に、キワーノがもったいぶって頷きました。
その「ちょんまげ」はゴツゴツとしたイボつきでした。彼もまたけっこう自信があったのです。
そうなってしまえばあとは雪崩のようなものです。
その「ちょんまげ」はゴツゴツとしたイボつきでした。彼もまたけっこう自信があったのです。
そうなってしまえばあとは雪崩のようなものです。
この方を国賓としてお招きましょう!
フルーツたちは一斉にお殿様に詰め寄りました。