理不尽なルール
文字数 2,339文字
殿様としても、このダイレクトメールの差出し人である貴婦人を招きたいのはやまやまでした。
ですが、問題がひとつあったのです。
ですが、問題がひとつあったのです。
フルーツしかない星でしたから、移動手段も、通信手段もありません。
またしてもパイナップルが助言をしました。
ランプには魔人が住んでおり、呼び出した者の願いを何でも三つ叶えてくれるのです。
ですが、お殿様はとても羽振りがよかったので、ことさら望むものなどなく、むしろ逆に「お前の望みを叶えてやろう」だとか「褒美を取らせよう」とはからった為に、魔人はいじけて引き籠ってしまっていたのでした。(どうも果物というのは空気を読む能力に欠けているのかもしれませんね)
早速ランプをシコシコすると、中から魔人がドピュッと飛び出しました。
ですが、お殿様はとても羽振りがよかったので、ことさら望むものなどなく、むしろ逆に「お前の望みを叶えてやろう」だとか「褒美を取らせよう」とはからった為に、魔人はいじけて引き籠ってしまっていたのでした。(どうも果物というのは空気を読む能力に欠けているのかもしれませんね)
早速ランプをシコシコすると、中から魔人がドピュッと飛び出しました。
それでもって、国賓待遇でやって来た美しい王妃様が、飛行機の扉をあけ放つなり、レッドカーペットの敷かれたタラップを降りもせず、いきなりその場で御開帳!
フルーツたちの誰もが、そんな男の子ウケ抜群の絵面を頭に思い描いてワクテカしていたのです。
ですが、パイナップルはあくまで冷静でした。
ですが、パイナップルはあくまで冷静でした。
そうなのでした。
お殿様はドリアンでした。フルーツの王様ですからね。
しかし……しかし、そうなのです。
お殿様はドリアンでした。フルーツの王様ですからね。
しかし……しかし、そうなのです。
お殿様は、生まれて初めて自分がドリアンであることと、航空会社の理不尽なルールを呪いました。
これには他のフルーツも「俺だって」という顔をして、お殿さまに同調しました。
本当は「何言ってんだ」と言いたいところをグッとこらえてパイナップルは大人の対応をしました。
いつもの気前良さはどこへやら、お殿様は、みみっちい懸念をしておりました。
しかし、童貞にとってこれはさほどに重大な事案だったのです。
パイナップルもそんなことは百も承知。
そこで、もうひと押しプレゼンテーションを加えることに。
しかし、童貞にとってこれはさほどに重大な事案だったのです。
パイナップルもそんなことは百も承知。
そこで、もうひと押しプレゼンテーションを加えることに。
これには、お殿様だけでなく、一堂ハッと目が覚める想いでした。
「女の人のオナニー」ということに舞い上がって、肝心なことを忘れていたのです。パイナップルの言うことは実に理にかなったもっともなことでした。
「但し、イケメンに限る」というのは女性だけの我儘ではないのです。
「女の人のオナニー」ということに舞い上がって、肝心なことを忘れていたのです。パイナップルの言うことは実に理にかなったもっともなことでした。
「但し、イケメンに限る」というのは女性だけの我儘ではないのです。
お殿様は魔人にそう願いました。
パイナップルが王妃様への贈り物として届くように。
偵察成功のあかつきには飛んで戻って来れるように。
パイナップルが王妃様への贈り物として届くように。
偵察成功のあかつきには飛んで戻って来れるように。
残りひとつは、王妃様がこちらの望み通りの美女であったときに、お迎えする為に使うことにして残しました。
こうしてパイナップルは星の王妃様の下へと贈られていったのです。
なお、このとき魔人はついうっかり、すべてのパイナップルにそんな新しい性質を与えてしまいました。
ですから、これ以後、星の世界では毎年ある季節になると様々な星で暮らす王妃様にパイナップルが届くという事態となってしまったのですが、それはまた別のお話。
……さて、パイナップルはきちんと使命を果たして戻ってまいりました。
なお、このとき魔人はついうっかり、すべてのパイナップルにそんな新しい性質を与えてしまいました。
ですから、これ以後、星の世界では毎年ある季節になると様々な星で暮らす王妃様にパイナップルが届くという事態となってしまったのですが、それはまた別のお話。
……さて、パイナップルはきちんと使命を果たして戻ってまいりました。
王妃がそれは麗しく、情け深く、黒のパンタロンも良く似合う素敵な大人の女性であると聞き、皆は大喜びでした。
もうあとは、この星にお運び下さったおみ足を、ぱっくりと開いて頂くばかりです。
もうあとは、この星にお運び下さったおみ足を、ぱっくりと開いて頂くばかりです。
パイナップルが厳めしい顔で注意を促しました。
その後、テングヤシを座長とする有識者会議を何回も開いて、「オナにちは!」も「クンにちは!」も王妃様滞在中は使用を禁じることになりました。
パイナップルは何かを思い出したかのように身震いをしたものです。