未知との遭遇
文字数 1,505文字
上司様の星の青々としたグリーンのど真ん中には、話に聞いた通りでっかい野球場が出来上がっておりました。
その大きさは、ゆうに東京ドーム8個分はありました。
その大きさは、ゆうに東京ドーム8個分はありました。
本命をないがしろにするにしても、ほどがあります。
ちょうどそのとき、アリスちゃんがやってまいりました。
ちょうどそのとき、アリスちゃんがやってまいりました。
王妃様は威厳を備えた物腰でバイクから降りると、形の良い顎をキリリと上げてアリスちゃんを見据えました。
ついでに、呼び間違いも元に戻っておりました。
ついでに、呼び間違いも元に戻っておりました。
淑女の嗜みについて一席ぶとうとした王妃様ですが、思わず話を止めて尋ねてしまいました。
……というのも、アリスちゃんの手にピカピカと光る棒が握られていたからです。
……というのも、アリスちゃんの手にピカピカと光る棒が握られていたからです。
王妃様も、似たような形状の物は沢山持っており、クローゼットの奥の小箱の中に大切に仕舞っておりましたが、光るというのは初めてでした。
「ペンラ」とは単に「ペンライト」の略ですが王妃様は知りませんでした。
ですが、知らなくてもその道の人であれば形状を見ればだいたいのことは想像がつきます。そういうものですよね。
ですが、知らなくてもその道の人であれば形状を見ればだいたいのことは想像がつきます。そういうものですよね。
その発想はありませんでした。
王妃様は自分の不明を恥じました。
まだまだ知らないことばかりであると、謙虚な思いで反省をされました。
まだまだ知らないことばかりであると、謙虚な思いで反省をされました。
アリスちゃんが見せたのは艶やかに飾り付けられたうちわでした。
その発想もありませんでした。
なんという斬新なやり方!
なんという斬新なやり方!
早とちりだったか、と少しホッとした王妃様でしたが、帰ったら試してみようとも、心ひそかに思うのでした。
王妃様はここに来た目的を思い出しました。
しかし、アリスちゃんはケロリとしたものです。
はい。自担ばかりがファンのあり方ではございませんもの。DDだったり無担の箱推しだったり、all担だってございます。私は上司様の担降りしたわけでもありませんし。まあ、同担拒否か歓迎かという問題はあるかもですが……
狐につままれたような、とはこのことです。
野球選手のヒップラインや年収は、なかなかそそるものがありますから、それなら不倫もしかたないかな……と、王妃様は正直、少し心が揺らぎました。
またしても微妙に好みが食い違う二人でした。
王妃様はアイドルというものをご存じありませんでした。
高貴な生まれと育ちですので、世俗に触れる機会が少なかったのです。
高貴な生まれと育ちですので、世俗に触れる機会が少なかったのです。