王妃様の裁定
文字数 2,021文字
順番はすでにクジで決めてありました。
ツリートマトことタマリロが王妃様のパンタロンの上にひょいと飛び乗りました。
自慢のタマがぶらぶら揺らます。
自慢のタマがぶらぶら揺らます。
さくらんぼによく似た外見をしておりましたので、王妃様はそう尋ねました。
しかし、それを聞いたタマリロはそれまでの興奮が一気に冷める思いで顔を強張らせると、即座に否定しました。
けっこーセンシブルな問題だったのです。
受け答えは噛み合っていませんでしたが、身体が疼いてしまってたまらない王妃様的にはどうでも良いことでした。
そして、タマリロは王妃様の「その上で」それは見事なブレイクダンスをクリクリと踊ったのです。
そして、タマリロは王妃様の「その上で」それは見事なブレイクダンスをクリクリと踊ったのです。
その次はドラゴンフルーツでした。
ドラゴンフルーツが捧げたのはラップでした。
技巧を尽くしたリリックで息も絶え絶えの王妃様をクリックしたのです。
技巧を尽くしたリリックで息も絶え絶えの王妃様をクリックしたのです。
これもまた、ブレイクダンスに負けず劣らずの素晴らしい出しものでした。
そんな調子でフルーチたちは次から次へとクリックリックリッ。ツーツートントン、クリトントン。
休むことなくクリットラをお手伝いしたのです。
そんな調子でフルーチたちは次から次へとクリックリックリッ。ツーツートントン、クリトントン。
休むことなくクリットラをお手伝いしたのです。
……何故か「自分はチェリーではないこと」を必ず申し添える流れになってしまいましたが。
王妃様も喘いでいるだけではありませんでした。
王妃様も喘いでいるだけではありませんでした。
もうご機嫌であれやこれやと指図して、パンタロンドレスをはだけさせ、熟れた果実とその生い茂った熱帯雨林を惜し気もなく披露あそばしたのです。比喩的な意味で。
まことに女性の身体というのは、いくつものフルーツでできているようなものなのでした。
しかも、その甘い果汁は絞れども尽きぬかのように後から後から溢れ出します。
そして、ビーチには何度も何度もビッグウェーブが訪れました。
果物たちは最高の波を狙うサーファーとなって、飽くことないテイクオフを繰り返し繰り返したのです。
しかも、その甘い果汁は絞れども尽きぬかのように後から後から溢れ出します。
そして、ビーチには何度も何度もビッグウェーブが訪れました。
果物たちは最高の波を狙うサーファーとなって、飽くことないテイクオフを繰り返し繰り返したのです。
最後の最後、お殿様の順番が終わり、王妃様も大満足のひと声を青い空に向かって放ったのです。
誰もが幸せでした。夢のようなひと時でした。
これはもう、当初王妃様が考えていた「自分が自分で自分を慰める姿で他人を慰める」というレベルを超えておりました。
「ひとりエッチ」というよりはもう「みんなエッチ」……そう、まさしく、みんなエッチでした。
皆が一体となった、かけがえのない――宇宙の創生ともいえるものでした。
誰もが幸せでした。夢のようなひと時でした。
これはもう、当初王妃様が考えていた「自分が自分で自分を慰める姿で他人を慰める」というレベルを超えておりました。
「ひとりエッチ」というよりはもう「みんなエッチ」……そう、まさしく、みんなエッチでした。
皆が一体となった、かけがえのない――宇宙の創生ともいえるものでした。
しかし、それでも全てのエントリーが終了した今、判定をしなければなりません。
フルーツたちの間に緊張が走り、誰もが王妃様の答えを今かと待ちました。
そこで王妃様は、結局、単に自分が一番好きな果物の名を答えることにしたのです。
すかさず叫んだのはパイナップルでした。
一瞬虚を突かれたフルーツたちでしたが、すぐにその意味を悟りました。
それは、誰もが優勝ということでもあったのです。
もちろん、敢えてそのことを口には出す者はおりませんでした。
しかし、そうであっても、全員がわかっていたのです。
そして、これならば、もう二度と諍いや争いはおこることなどありません。
一瞬虚を突かれたフルーツたちでしたが、すぐにその意味を悟りました。
それは、誰もが優勝ということでもあったのです。
もちろん、敢えてそのことを口には出す者はおりませんでした。
しかし、そうであっても、全員がわかっていたのです。
そして、これならば、もう二度と諍いや争いはおこることなどありません。
星全体を包み込むほどの大きな大きな歓声が沸き起こりました。
そして、お殿さまを始めとして全てのフルーツたちが、王妃様の素晴らしいお裁きを、その考えと情けの深さを讃え、歌を歌うのでした。
いつまでも、いつまでも……。
そして、お殿さまを始めとして全てのフルーツたちが、王妃様の素晴らしいお裁きを、その考えと情けの深さを讃え、歌を歌うのでした。
いつまでも、いつまでも……。
第三章 星のお殿様 Fin