文字数 400文字



空からのギフトに
子どもはおおいににはしゃぎ
おとなは足元におののく
悴んだ手のことなど忘れて
いつまでも何かを作る人たち
そんな時もあったと足速に
その場からただ立ち去りたかった
明日は暖かいらしいから
白い世界は多分今日だけで
命を与えられたモノたちも
明日には何かに変わるのだろう
そこに残るムクロの塊が
また僕たちを朝から恐怖へと
引き摺り込むことなんて
無邪気に騒ぐ天使たちは
今はまだ知らないんだ
アスファルトを濡らす
その白いギフトは宵のうちに
黒い悪魔へと様変わりして
太陽が本気を出すまで
足速に進みたい車も人も
手ぐすね引いて待つことを
さっきもまた傘が役に立たないほど
盛大に転がった人がいた
着飾る足元はお気に召さないからと
何人もやられている
僕たちはいつも試される
そしてまんまと嫌われる
そんなギフトでもやっぱり
僕たちは心のどこかで待ち侘びる
綺麗な薔薇にはトゲがあるように
危険の前にある美しさは
一見の価値があると知っているから



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