文字数 316文字


ただいまという言葉が虚しく響く
誰もいないその部屋には
確かにぬくもりはあったのに
今は僕が温めるまで何も動かない
カーテンも閉めたままにする日が増えた
掃除と洗濯は機械がなんとかしてくれるけど
僕が帰る頃にはどちらも寝ている
ここは本当に僕の居場所なのだろうか
ひとりぼっちの夜ひとりぼっちの朝
癒してくれる音楽も
僕の耳元でしか鳴らない
誰に気兼ねすることももうないのに
1人では広い部屋の中で響く音が
どんなものかも忘れてしまった
冷蔵庫の中も飲み物が我が物顔で
ほとんどのスペースに陣取る
どうしてこんなふうになってしまったんだろ
ひとえに僕のせいなのはわかってるけど
どこで間違えてしまったのか
そんなことに向き合えないまま
今日も誰もいない部屋に
ただいまと呟く


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