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文字数 317文字


不意に君の声が聞こえた気がした
その風の向こうから
はしゃぐ君の姿と重ねて
僕はいるはずのない君を探す
どんなに後悔しても
僕はあの時前に進むしかなかったから
進む事をやめてしまった
君の隣から僕は逃げ出したけれど
やめる選択も進む選択も
どちらも間違ってないとは思っている
それでも僕は君の手を
あの時に引き続ければよかったと
そう思わずにはいられないんだ
あれから僕は誰かを愛せないし
風の噂では君はまだあの場所で
君が選ぶはずだった道の先に
思いを馳せているだけで
時すらも止めてしまったようだね
通り過ぎた風の中で
はしゃいでいたあの子は
選ばなかったもう1人の君の
在りし日の姿だったのかも知れない
君を思い出せてよかったと
過ぎ去った風の方に向かって
ありがとうと添えた



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