ガザ地区の統治

２０２３年１０月７日、イランが支持するイスラーム原理主義の組織、ハマスはイスラエルにロケット弾を打ち込み、奇襲を開始しました。外国籍を含む民間人が犠牲となり、人質にとられる一方で、イスラエル軍はガザ地区に空爆を開始しました。現在、イスラエル軍は南部への退避勧告を行った後、地上戦を開始し、ハマス掃討作戦を展開しています。

ガザ地区におけるハマスの支配が終わるとして、その地域の民政を担うのはどういった組織になるのでしょうか。

現在は戦時挙国内閣ですが、タカ派政策で知られるネタニヤフ右派政権が継続する場合、安全保障政策はともかく、ガザ地区の民政をイスラエルが上手くコントロールする可能性は低いように思います。PLOがその役割を担う可能性がありますが、彼らには、二国家共存を拒否し、イスラエルの消滅とイスラームに基づく宗教国家の建設を主張する一方、福祉活動を行って支持を得たハマスに支持と支配権を奪われた過去があり、PLOがガザ地区の住民から継続した支持を得られるかどうかは不透明です。

少なくとも、安全保障政策だけでなく、ガザ地区の経済封鎖が解かれ、ガザ地区の民政がある程度うまくいかないと、イスラエルに対する脅威が消えることはないように思います。