あるイラン人女性の反政府活動

文字数 582文字

ナルゲス・モハンマディさんは、2023年のノーベル平和賞を受賞したイランの人権活動家です。現在、テヘランの刑務所で懲役(ちょうえき)(けい)に服していますが、彼女の活動とそれに対するイランの対応は、宗教国家が認める道徳観に反する活動への弾圧の一例と言えると思います。


シーア派のイスラーム原理主義者たちによる革命で成立したイラン=イスラーム共和国の主権は神アッラーにあるとされ、イスラーム法(シャリーア)によって統治されるこの宗教国家では、女性はヒジャーブを「適切に」着用しなくてはなりません。


2022年には、この服装規定を守らなかった女性を道徳警察が拘束したあと死亡する事件があり、これをきっかけに大規模な抗議活動が起こりましたが、イランは厳しい取り締まりを行い、ヒジャーブ着用の規制を強めています。


こうした宗教国家が理想とする女性の在り方に異を唱える活動をし、何度も拘束(こうそく)され、有罪判決を受けてきたのがナルゲス・モハンマディさんで、その活動がノーベル賞選考委員会に評価されたことにより、彼女はノーベル平和賞を受賞することになりました。授賞理由は「イランでの女性への抑圧と闘い、すべての人の人権と自由を推進するために闘った」からだそうです。


このようにイランでは、宗教国家が認める道徳観に反する女性の在り方は、厳しく弾圧される状況にあるといえるでしょう。

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