研究所に響く銃声 2ー1 薬を飲んだ人物を判定できる検査
文字数 1,080文字
問題は、誰を調べるかだ。薬を飲んだかどうかの判定に関しては、私を信じてほしい。
手がかりがないのであれば、候補も絞りづらいですね。
・・・あの、第一発見者が犯人として疑われることがあるって聞いたことあるんですけど。
なるほど。では、いつ知ったか言いましょうか。私はムサシさんから聞かされる前に気づきましたね。
俺は朝気づいて、三上にみんなを呼んでほしいと言った。
俺はムサシに会う前から知っていたが、森本は知らないようだったな。
私は疑われてもいいのですが、ムサシさんは犯人捜しに役立つ方法を示してくれましたし、はずしてもいいように思います。
疑ってもらってかまわないが、みながそれでいいならそうさせてもらおう。
まあ・・いんじゃないの。ってことは、俺と住吉が候補か。
ほかに手がかりはないかしら。そういえば、浅倉はサバイバルゲーム好きだったわよね。住吉は推理小説だったかしら。
そうです。最近読んだ作品は、エドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」です。
ふうん。でも小説ってしょせん空想だし、サバゲーのほうがよりリアルな臨場感が味わえると思うけどな。まあ、蓼食う虫も好き好きってやつか。
他人には見せない一面をもつ人もいるから、ふだんの振る舞いだけでは判断できないけれど、実験好きなのは浅倉のほうかしら。あんた、自分で試してみたの?
私は、自分の潔白が証明できるならムサシさんに調べてほしいです。
で・・どうする?住吉でもいいけど、怪しまれてるやつ調べたほうがいんじゃないの?
そうだな。俺たちの合意としては・・・浅倉になる。何か強い反論はあるか?
ないない。さっきからないっていってるし。それでOK。
わかった。ではちょっと俺の研究室に来てくれ。判定が出るまでには少し時間がかかる。誰かに殺人衝動の発作が出なければいいが、その保証はない。みんな拳銃を装備して待っていてくれ。
やむをえないだろう。ここは人里離れた秘密の研究所、軍には連絡してあるが、この状況で彼らに頼ることはできない。ここには生物・化学兵器をはじめ、銃以外にも殺人のための凶器はいくらでもある。誰かが殺人衝動の発作を起こしたときには、協力して戦うしかない。
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