第23話 心の時計塔

文字数 141文字

 町の隅に古ぼけた時計塔がある。最早誰にも顧みられないその塔は、学生時代の私の避難先だった。
 放課後に塔を上り、時計機械室の錆びた機構を見て、ほこりの積もる床に寝そべる。町の雑踏も遠い塔の中はとても静かで、私は自由を感じていた。
 塔が取り壊された今も、時計塔は私の中に存在している。
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