第49話 バラの女

文字数 141文字

 ヒマラヤ山脈のふもとで野バラの茂みに女性を見た。彼女は黄味を帯びた白い花弁に輝くような身を横たえていた。
 一体何者なのだろう。
 きっと刺もあるだろうになめらかな肌は傷ついてもいない。登山していることも忘れて私は見入った。
 彼女のまぶたが震え、豊かなまつ毛が開いた時、私は滑落した。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み