第36話 コッペパンと腕

文字数 141文字

 通学路脇の沼には人の腕が生えている。ゴツゴツとしたむき出しの男の腕で、水面からいつもなにかをつかもうとしている。
 ある日の放課後、私は腕に給食のコッペパンの残りを投げてみた。腕は見事にそれをつかみ音もなく水底へ消えた。
 入れ替わりに浮かんできたのはコッペパンをくわえた生首だった。
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