第4話 内から響く罵声

文字数 141文字

 首都の夜風は生臭さを孕んでいる。私の乗る馬車にもそれは忍び込んでくる。
 不意に馬車に石を投げつけられた音がした。
「王殺し! 汚ならしい処刑人!」
 飛んできた罵声に馭者が馬を緩めかける。
「構うな!」
 馭者は私の言葉に従った。私は目を覆いうつむく。
 罵声の主は私の内側にこそいるのだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み